【高校野球】「イチローチルドレン」新宿コールド発進 快勝の裏に女子野球チーム主将として中学時に関東Vのマネジャー

AI要約

新宿が圧勝して2回戦に進出。マネジャーの三石結菜は過去の経験を活かし活躍。

元中学野球選手である三石は声出しやノックなどでチームに貢献し、評価を得ている。

将来の夢は六大学のアナリストであり、野球への熱い思いを持つ三石の野球生活は続く。

【高校野球】「イチローチルドレン」新宿コールド発進 快勝の裏に女子野球チーム主将として中学時に関東Vのマネジャー

◆第106回全国高校野球選手権東東京大会 ▽1回戦 桐ヶ丘・第三商・千早1―28新宿=5回コールド=(8日・神宮)

 2年前に米大リーグで活躍したイチローさんから指導を受けた新宿が、28点を奪う圧勝で2回戦へ駒を進めた。記録員としてベンチ入りした三石結菜マネジャー(3年)は「2年連続で(ベスト)32で終わっている。まずはそれを超えて1勝でも上に」と今後の躍進に期待を見せた。

 三石は中学時代、江戸川区の女子野球チーム・深川クラブの二塁手として活躍。中学2年時には関東で優勝し、3年では主将も務めた。母・美奈子さん(49)は「一番声が出ていたから」と主将になった理由を説明。母の言葉通り、誰よりも大きい声でチームを鼓舞し続けた。長井正徳監督(47)は「あの子の声がみんな聞き慣れている。指示が一番通る」と評価。野球経験を生かしたプレーの指示や具体的な声出しに中川翔太主将(3年)も「助かっている」と信頼を見せた。

 声出しの他に、昨夏に新チームが始動してから開始したノックでも貢献している。「助監督登録をしていなかった」と、この試合はノックを打たなかったが、「時間がかかる(ノックの)メニューもあるが、それに対してしっかり打ってくれる。そのおかげで守備が成長した部分もある」。ノックを始めた当初は「まっすぐ打つのも難しい。パワーも(男子に比べて)劣るので苦労した」と苦戦するも、最近は「最初に比べたら全然(打てるようになった)。頼まれることもあるし、色々な子が受けてくれている」と手応えを口にした。

 選手としては中学で一区切りしたが、野球からは離れられなかった。夏休みに高校の女子野球部の練習に参加するも、周りとの体格の違いを痛感。現在は履正社でプレーし、中学時代は同じ深川クラブで全国優勝した妹の舞央さん(高1)も身長170cm弱あり「そういう子たちがいっぱい集まるところに自分が行くのはちょっと違うのかなと」。新宿に入学後は他の部に仮入部をしたが「あまりしっくり来なかった。やっぱり一番自分が本気になれるのが野球だった」とマネジャーへの就任を決意した。美奈子さんは「(新宿が)すてきな野球部だった。ここの選手と一緒に頑張りたいと(言っていた)」とマネジャー生活が充実していることに安堵(あんど)の表情を見せた。

 卒業後について尋ねると「六大学を目指している。(野球部の)アナリストをやりたい」と夢を語った。三石の野球生活はこれからも続いていく。

(浅岡 諒祐)