【函館記念・先手必勝】現地調整で動きキレキレ! まさに〝円熟期〟エンパイアウエストが一気のタイトル奪取へ

AI要約

サマー2000シリーズ第2弾のGⅢ函館記念は、馬場状態も含めて難解なレースとなる。

エンパイアウエストは現地追い切り組で狙い澄まして参戦し、オープン昇格初戦で重賞初挑戦を果たす。

2024年問題の影響もある中、エンパイアウエストは充実した体調と適応力で好ポテンシャルを持つ。

【函館記念・先手必勝】現地調整で動きキレキレ! まさに〝円熟期〟エンパイアウエストが一気のタイトル奪取へ

[GⅢ函館記念=2024年7月14日(日曜)3歳上、函館競馬場・芝2000メートル]

 今週末に行われるのはサマー2000シリーズ第2弾・GⅢ函館記念(14日=函館芝2000メートル)。6週にわたって行われた函館開催を締めくくる伝統のハンデ重賞は、最終週の馬場状態も含めて難解を極める。加えて、社会問題も影響を及ぼしている今年は…。当欄推奨は数少ない現地追い切り組で狙い澄ましての参戦となるエンパイアウエスト。円熟期を迎えた5歳牝馬が一気にタイトル奪取をもくろむ。

 今年の北海道シリーズで関係者を悩ませているのが運送業における“2024年問題”。馬運車を手配しての東西トレセンや牧場からの競走馬輸送が、昨年までに比べて困難になっているという。そのため出走予定馬の入退厩(いわゆる馬の入れ替え)に影響を及ぼし、出走馬の戦術や調教メニューが思うようにいかないといった話がしばしば聞かれる。無論、それだけが要因ではなく近年の滞在競馬の流れもあるが、実際に今年の函館記念出走馬で1週前追い切りを現地で消化したのはごくわずかしかいない。

 そんな中にあってエンパイアウエストは3日の函館ウッドでナチュラルハイとオープン馬同士の併せ馬を敢行して追走先着(4ハロン53・7ー12・6秒)。目下2勝クラス→3勝クラスを連勝し一気にオープン入りを果たした上昇気流そのままに、キレキレの動きで順調さと好調ぶりをアピールした。

「初めての滞在(競馬)だけどトレセンにいる時と同じ雰囲気。今年1月に半年ぶりに牧場から帰ってきた時に体も大きくなって、現在2連勝と充実していますね。体高も伸びました」と酒井助手。休養明けの3走前が前走比18キロ。次戦でさらに馬体重を6キロ増やしてから連勝と、体重増加が充実ぶりを後押ししている。

 今回がオープン昇格初戦で重賞も初挑戦。それでも、素質馬が揃う2歳11月の東京芝9ハロンで新馬勝ちをした好素材でもあり、本格化なった今なら一気に“G”を突破するポテンシャルが露見しても不思議はない。

 酒井助手は「(2連勝が)牝馬限定戦だったからね。相手関係が一気に強くなってどれくらいやれるかだけど、東京でためて差す競馬で1勝クラスを勝ったけど、どちらかといえば前でしぶとさを生かすタイプ。力の要る馬場も苦にしないし、コースに関係なくコントロールが利く」と続ける。

 東京、中山、京都と異なる競馬場で勝ち星を挙げてきたようにどんなコース形態でもこなす適応力も能力の表れ。2024年問題も華麗にスルーし、着々と現地で調整を続ける進化した肉体に、V条件が揃った。