【プロキオンS】G1競走9勝の名馬と酷似!?極上の素質を秘めた1頭

AI要約

G1馬たちに匹敵する可能性を秘めたヤマニンウルスが7月7日のプロキオンSに出走する。

初陣で記録を更新したヤマニンウルスは異質な後半のタイムを持ち、大器として期待されている。

エスポワールシチーの例を挙げながら、ヤマニンウルスの未来に期待がかかっている。

【プロキオンS】G1競走9勝の名馬と酷似!?極上の素質を秘めた1頭

G1勝利。それはすべての競走馬にとって最大の栄誉であり、夢。追い続けたタイトルに手が届かず、涙をのんできた馬たちは数えきれません。

そんなG1競走を複数回勝利したとあっては、その馬は稀代の名馬とうたわれること必至。特にタイトルにも掲げた「G1競走9勝」を成し遂げた馬ともなれば、アーモンドアイやオジュウチョウサンなど、競馬ファンなら何度も耳にしたであろう名前ばかりが挙がります。

本題に入りましょう。今週の7月7日(日)に行われるプロキオンS(G3、小倉ダ1700m)に、そんな名馬たちに匹敵する可能性のある器が参戦します。

勘のいい方々ならもうお気づきでしょう。そう、武豊騎手の騎乗するヤマニンウルスです。

やはり同馬と言えば、ひと躍話題をさらったデビュー戦でしょう。1分44秒3という破格時計で小倉ダート1700mの2歳レコードを更新したばかりか、JRA平地競走における2着馬との最大着差をも塗り替える大記録を成し遂げました。

そんな伝説ともいえる初陣のレース前半は、折り合い重視の新馬戦ともあって平凡なスロー展開。しかし特筆すべきは、レース後半におけるタイムの速さにあります。

●ヤマニンウルス(牡2)

2歳新馬・小倉ダ1700m

後半5ハロン 60秒3

(12.5-12.0-11.9-11.6-12.3)

この後半5ハロン60秒3という時計は異質と言えます。重~不良馬場となった小倉ダートであれば著しく時計の出るケースが多々見られますが、ヤマニンウルスの走った馬場は「稍重」。近年、この条件で同馬と近い後半5ハロン時計を刻んだ馬となると、なんと古馬を含めても7頭しか見つかりません(2000年以降、1着馬のみ集計)。

もちろんその7頭も、うち5頭が4歳以上の古馬。しかしこの中にたった1頭、3歳時のレースでヤマニンウルスと同じく後半5ハロン60秒3で走った馬が存在しました。

当時8戦目、キャリア初のダート戦に小倉ダ1700m戦に出走したエスポワールシチーです。

●エスポワールシチー(牡3)

3歳上1勝クラス・小倉ダ1700m

後半5ハロン 60秒3

(12.0-11.9-12.3-11.9-12.2)

補足として、ヤマニンウルスは当時50キロと★4キロ減の今村騎手が騎乗。エスポワールシチーは54キロの角田晃一騎手が騎乗していました。とはいえ年齢が丸々1年離れていること、レースそのものを未経験であったことなどを考えれば、肩を並べるヤマニンウルスのポテンシャルはすさまじいものと言えるでしょう。

なおエスポワールシチーはその後2009年かしわ記念や10年フェブラリーSなど、場所を選ばずG1(Jpn1)競走9勝の大活躍。文句なしに名馬の仲間入りを果たしました。

ただ、そんなエスポワールシチーでさえも躓かなかったわけではありません。奇しくもヤマニンウルスと同じく4歳時、ダート4戦4勝で臨んだ初の重賞(08年平安S)では、惜しくもワンダースピードのクビ差2着に敗退。砂の無敗記録はストップしています。

歴史は繰り返すのか、はたまたここを軽々と越えて、未踏の道を突き進むのか。大器ヤマニンウルスの見せる走りに注目です!