【U23日本代表】肘打ち一発退場から2カ月半、失意のC大阪DF西尾隆矢が自力でパリ切符

AI要約

DF西尾隆矢がパリ・オリンピック日本代表に選ばれる喜びを味わった。代表内での序列を落とし、五輪落選の声もあった過去を乗り越えた西尾は、Jリーグでの活躍により代表入りを果たした。

大阪市内での練習後、クラブハウスでメンバー発表を見ていた西尾は、呼ばれて最後に名前が呼ばれ、周囲からの祝福を受ける喜びに包まれた。

西尾は過去の挫折を乗り越え、プロ選手としての使命感を持ち、家族を支える大黒柱としても頼りにされている。

 パリ・オリンピック(五輪)日本代表18人に3日、DF西尾隆矢(23=セレッソ大阪)が選ばれた。

 今春のU-23アジア杯(カタール)では、肘打ちによる一発退場処分。軽率なプレーに批判は集まり、代表内での序列を落とした。一部では五輪落選を予想する声もあった。失意の2カ月半。その中でもJリーグでの活躍が顕著で、自力でパリ切符をつかんだ。

 代表発表のこの日、大阪市内での練習後、西尾はクラブハウスに残り、仲間とミーティングルームでメンバー発表を生配信するYouTubeを見ていた。

 DF登録選手で最後に呼ばれたのが、西尾の名前だった。みんな、内心はドキドキしていたという。

 「こんなに喜ぶ隆矢の姿を見たことがなかった。本人が一番、うれしかったのでしょう」とクラブ関係者。

 同じセンターバックのDF進藤亮佑(28)から抱きつかれ、仲間から拍手が起こり、MF香川真司(35)からも祝福されたという。

 カタールから帰国後、西尾は言っていた。

 「本当に人生でも一番苦しい、悔しい1カ月を過ごしたというのは、自分の中であった。だからこそ、それでへこたれているようでは、プロ選手としてはやっていけない。悔しさをばねに、チームでしっかり、パフォーマンスしないといけないと思っていた」

 大阪・八尾市生まれでC大阪下部組織出身のプロ5年目。C大阪や五輪代表チームだけでなく、夫人と1歳の長女を守る、一家の大黒柱でもある。

 ◆西尾隆矢(にしお・りゅうや)2001年(平13)5月16日、大阪・八尾市生まれ。C大阪ジュニアユース(U-15)、ユース(U-18)を経て20年にプロ契約を結び、今季が5年目のセンターバック。22年1月には日本代表候補合宿に初招集。J1通算77試合3得点。夫人と1女。180センチ、77キロ。