浦和学院を24年間支えた指揮官が城西大城西へ 伝え続ける強者に必要なメンタル

AI要約

城西大城西は夏の甲子園を目指しているシード校で、練習の中で選手たちは真剣勝負を楽しんでいる様子が見られる。

安保監督は真剣勝負を楽しむことの重要性を強調し、過去の失敗を引きずらずに切り替えることを教えている。

主将や選手たちも先輩の姿から真剣勝負を楽しむ大切さを学んでおり、チーム全体が成長している。

浦和学院を24年間支えた指揮官が城西大城西へ 伝え続ける強者に必要なメンタル

今大会シード校として夏の甲子園を狙う城西大城西。2023年の夏は、東東京大会でベスト4進出を果たすと、新チームになっても、秋と春はともに東京都大会ベスト16入り。安定した勝ち上がりをみせる実力校・城西大城西に今回訪問した。

普段は荒川の河川敷にある専用グラウンドで練習をしており、取材当日は主力と控え組で分かれて、各選手が夏に向けて精を出していた。

厳しい練習の中でも選手たちの表情はどこか充実しているように見える。

その理由を安保隆示監督が教えてくれた。安保監督といえば、浦和学院ではコーチとして2013年のセンバツ優勝に携わるなど、24年間、浦和学院で部長やコーチとして支えてきた。そんな安保監督は言う。

「真剣勝負を楽しむことが一番だと思っています。大人になってからやる草野球みたいに野球を純粋に楽しむだけではなくて、勝負を楽しんでほしいんですよね。

どうしても日本人の性格は真面目だったり、完璧主義だったりするので、『失敗したらどうしよう』って先のことを考えちゃいますよね。けどそればかり考えていたら楽しくないし、プレーが縮こまってしまいます。だから、真剣勝負を楽しんでほしいんです。

逆に、そういったシーンが見えた時は『ああ、こいつらヤバいかも』っていうのが浦和学院でも指導をしていて感じていました。ここでも、実際、昨年の秋と春を振り返ってみたら、選手たちは勝負を楽しめていなかったように見えます。『負けちゃいけない』とか考えながらやっていたから、結果が出なかったと反省しています」

主将である両角尚樹に話を聞いても、「去年の先輩方も、夏の大会を勝ち上がるにつれて楽しんでやっている姿を見ていて、すごくうらやましかった」と先輩たちの姿を通じて、真剣勝負を楽しむ重要性を感じ取っているようだった。

浦和学院時代に指導者として携わる中で、真剣勝負を楽しむことの大切さを学んだ安保監督。と同時に、切り替えることが大切であることを強く訴える。

「例えば試合でエラーしました、三振しました、とかミスしたことって、すぐに過去になりますよね。もちろん試合が終われば反省すべきですけど、試合中は『もうミスしちゃいけない』とか『負けたくない』とか引きずっている場合ではないんですよ。真剣勝負は続いているわけですし、切り替えないと真剣勝負は楽しめない。もしかしたら、そこがきっかけで試合に勝てないこともあると思うんです。だから『勝ちたいんだったらやれよ』って、目の前のことに集中して切り替えて欲しいんです。

そのためにも反省する時は、『おまえのせいだ』とかを私も、選手も言うことはなしにしています。負けた責任は私にあるので、選手たちは敗因を追究することをして欲しい。だって野球はチームスポーツなわけで、個人のせいにしても、試合にはチームで負けているんで」