原英莉花は地元大会で結果にも出た“復調の兆し” 「自分の中では合格」

AI要約

最終日の原英莉花は8アンダーで単独3位に入り、自己最高の成績を達成。

雨と風に耐えながらも良いプレーを見せ、前向きな姿勢を示す。

アイアンやパッティングの微調整が功を奏し、調子が上向いている。

原英莉花は地元大会で結果にも出た“復調の兆し”  「自分の中では合格」

<資生堂 レディスオープン 最終日◇30日◇戸塚カントリー倶楽部 西コース(神奈川県)◇6697ヤード・パー72>

8位タイで最終日を迎えた原英莉花は、4バーディ・1ボギーの「69」でラウンド。トータル8アンダーの単独3位で終え、今季自己最高フィニッシュを決めた。

「きょうはティショットがけっこう荒れていて、チャンスをなかなか作れなかったんですけど、9番でロングパッティングが決まってくれた。アプローチもせず踏ん張れたので、自分のなかでは“合格”をあげたいかなと思います」

前半は4番でバーディを先行させ、そこからはパーが続いたが9番で22メートルのロングパットを決めて2つ伸ばしてハーフターン。カップにボールが吸い込まれたときには、詰めかけたギャラリーがクラブハウスまで響くほどの歓声をいっせいに挙げて盛り上がった。「自分でもびっくりした」と目を見開き思わず口に手をあてる。「たくさんのファンがいるところでああいうパットが入ってくれてすごい良かったなと思います」と地元大会でうれしい経験ができた。

この日は雨が降り、正午前から風も吹き始め、風速は7.3m/sまで強くなった。「風がすごい強くなってきていて、すごいタフなコンディションだった」。天候もその後どうなるのか読めない状況のなかで「とりあえずボギーを打たずに伸ばせるとき伸ばそう」という意識でプレーを続ける。「優勝を意識してっていう気持ちではなかった」と、目の前の一打にしっかり集中することができた。

順位を伸ばすことはできたが、優勝には3打足りず。昨年の「日本女子オープン」以来となるツアー6勝目を飾ることはできなかった。それでも「けっこう耐えたプレーだったので、きょうは次につながるプレーとして前向きに考えたい」と、開幕から自身のゴルフに悩んでいたが、徐々に復調の兆しが見えてきていることも実感している。

また、今週の練習日に微調整を行ったアイアンも馴染んできて、距離感も安定してきていることも手応えとして得られている。「アイアンショットがすごくセカンドで狙っていきやすい」とクラブ選択もスムーズにできた一週間だった。さらにパッティング面でも「引き出しが増えてきた気がする」と少しずつ悩んでいた課題たちが解消され始めている。

原は常にボギーを少なくするゴルフを心がけている。今週の3日間のリーダーボードを見てみると、“△”の数は54ホール中1つだけだった。「ボギーが少なくあがれたのはすごくよかったですし、自分の調子も上がってきている証拠だと思う」。兆しは結果にもでている。

「ここから調子を上げていけるように頑張りたい」。最終戦を含めて37試合の国内女子ツアーは18試合を終えて中盤戦に差し掛かった。これでメルセデス・ランキングも29位まで上昇。ここから逆襲が始まっていく。(文・高木彩音)