PGA・オブ・アメリカのセス・ワーグ会長が任期満了で辞任へ 米クラブプロの報酬設定などに尽力

AI要約

PGA・オブ・アメリカのセス・ワーグ会長が6月30日をもって辞任することを発表。6年間の成果と今後の展望について述べる。

ワーグ氏はPGAツアーの元トーナメント・ディレクターであり、多くの取り組みを通じてゴルフ界の発展に貢献。コロナ禍においても安全なスポーツとしてゴルフの普及に努めた。

PGA・オブ・アメリカは女子ゴルフへの参入や様々な大会の開催、クラブプロの報酬制度改革など数々の成果を上げ、今後も発展を目指す。後任の選考も進められている。

PGA・オブ・アメリカのセス・ワーグ会長が任期満了で辞任へ 米クラブプロの報酬設定などに尽力

PGA・オブ・アメリカのセス・ワーグ会長が任期満了の6月30日をもって、契約更新せずに辞任することを発表した。

ワーグ氏は「個人的にだけでなく、プロとしても今が離れるときだと感じている。この6年間で我々は非常に多くのことを成し遂げてきた。ゴルフはかつてないほど調子がいい。我々が望んでいたあらゆるものが成長している」と声明を発表した。

元ドイツ銀行の会長だった同氏は、PGAツアーが2003年にボストンで「ドイツ銀行選手権」を開催したことでゴルフ界とのつながりができたという。同大会のトーナメント・ディレクターを務めていたのは、現PGAツアーのジェイ・モナハン会長で、以降ゴルフ界のビジネスに大きく関わり、18年にはPGA・オブ・アメリカの会長になった。

この6年の間には世界中がコロナ禍にも見舞われたが、「ゴルフは安全なスポーツ」と声をあげ、多くの人がコースに出る助けにもなったという。また女性、有色人種のゴルフ人口増加にも尽力してきた。

PGA・オブ・アメリカは14年から女子ゴルフにも参入。先週行われ、山下美夢有や渋野日向子ら日本勢の活躍も記憶に新しいメジャー大会「KPMG全米女子プロ選手権」を主催している。男子、シニアの「全米プロ選手権」や、米欧対抗戦「ライダーカップ」の米国開催も主催。また3万人の米国内のクラブ・プロを統括し、22年春にPGA・オブ・アメリカ本部をフロリダ州からテキサス州ダラス郊外のフリスコへ移転させた。

ワーグ氏が就任当時に目標として掲げたことのひとつはクラブプロの報酬を設定することで、年金制度も確立。報酬の平均で初めて10万ドル(約1600万円)超えも達成した。そんな同氏は会長を退いた後もシニア・アドバイザリーとしてPGA・オブ・アメリカに関わっていく。7月の「全英オープン」、「パリ五輪」、また来年にニューヨークのベスページ・ブラックで開催されるライダーカップにも何らかの形で力を貸す。

後任はこれから内外を問わずに候補を探すとし、確定するまでは1989年からチーフチャンピオンシップオフィサーを務めるケリー・ヘイ氏が務める。なおヘイ氏は会長候補ではないということも明らかになっている。(文・武川玲子=米国在住)