【ロッテ】益田直也「チームの勝ち優先して腕がちぎれても」“数字の呪縛”解き放ち球団最多228S

AI要約

ロッテの守護神である益田直也投手が球団最多セーブ新記録を樹立し、6年連続で10セーブ目に到達する偉業を成し遂げた。

数字への執着から解き放たれ、復調のきっかけを見出した益田は、記録達成に注力することから離れ、勝利を追求する姿勢を改めて示した。

次なる目標は名球会入りへの250セーブだが、自身の数字よりもチームの勝利を優先し、腕を振り続けることを誓っている。

【ロッテ】益田直也「チームの勝ち優先して腕がちぎれても」“数字の呪縛”解き放ち球団最多228S

<ロッテ4-1楽天>◇26日◇ZOZOマリン

 ロッテの守護神が偉大な記録を打ち立てた。益田直也投手(34)が3点リードの9回に登板。打者3人を危なげなく抑えて試合を締め、小林雅英を抜いて、球団最多セーブ新記録となる228セーブ目を挙げた。守護神として君臨してきたベテランが「数字の呪縛」を自らで解き放ち、6年連続で10セーブ目にも到達。詰めかけたファンに、きっちり白星を届けた。

 いつものように、益田が9回のマウンドへ向かった。ただ、本拠地の声援は、いつにもまして大きくなった。4球で2死を奪うと、楽天渡辺佳を直球で空振り三振。9球で試合を締め、思い切り右拳を握りしめた。球団では初めて、通算228セーブに到達。「周りが言ってくれるので、それがとりあえず達成したので、ちょっと周りが静かになるかなというのはあるのでよかったかなと思います」と、ほっとした表情で、大記録を達成した直後の率直な心境を明かした。

 シーズン中に数字に対する考え方が変わった。今季、周囲からは記録達成を期待され続けた。「みんなに言われていたので絶対達成しようと最初から意気込んでいた」。だが、4月4日に出場選手登録を抹消されるなど、思うような結果が出なかった。

 屈辱のマウンドが、復調へのきっかけになった。5月12日の日本ハム戦(エスコンフィールド)。2点リードの9回にマウンドに上がったが、2連打を浴び1点差に迫られ、四球などで1死も取れずに降板。チームは逆転サヨナラ負けを喫し、同一カード3連敗となった。「その時にもう(数字を)考えるのをやめようと思った」。吉井監督には「記録を考えるのをやめて、1試合1試合もう1回集中して頑張ります」とあらためて決意を表明した。そこから自身12試合連続負けなしで、新記録へと突き進んだ。

 次は名球会入りへの250セーブの記録があるが「いまは特にそういうような数字は意識してない」ときっぱり。「チームの勝ちを優先して、腕がちぎれてもいいくらいしっかり投げようと思います」。自分の数字は、二の次。ロッテの9回が主戦場の13年目のベテラン守護神は、ただ目の前の勝利のために、これからも腕を振る。【星夏穂】