【陸上】東京学館新潟・秋沢理沙、監督の父に贈る女子200mV 北信越高校総体

AI要約

秋沢理沙が女子200メートルで県高校新記録を達成し優勝。男子200メートルも佐藤克樹が大会新記録でV。両選手は全国高校総体に出場。

秋沢は勝利を確信し、感慨深いコメントを述べた。父である監督も喜びを語る。

秋沢は怪我を克服し、再び好調な成績を収めている。将来の目標も掲げている。

【陸上】東京学館新潟・秋沢理沙、監督の父に贈る女子200mV 北信越高校総体

<陸上:北信越高校総体>◇最終日◇16日◇デンカビッグスワンスタジアム

 女子200メートルは秋沢理沙(東京学館新潟2年)が24秒24の県高校新記録で優勝した。自身が5月24日の県総体でマークした24秒26の記録から0秒02短縮した。

 男子200メートルも佐藤克樹(同)が20秒90の大会新記録でV。ともに100メートルは2位に終わった2年生スプリンターが、200メートルではそろって「新記録」でのアベック優勝を決めた。この種目の6傑など上位選手が7月28日に開幕する全国高校総体(インターハイ、陸上は福岡開催)に出場する。

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 コーナーを抜けると、秋沢は勝利を確信した。「集中して最初からガツガツいけた。得意な後半もガツガツいけた」。言葉とは裏腹に、力の抜けた滑らかな走り。後半もスムーズに加速してゴールに駆け込んだ。自身が持つ24秒26の県高校記録を0秒02塗り替える県高校新記録。電光掲示板を見ながら跳びはねたのは、タイムよりも優勝を喜んだからだった。「勝つぞ、という気持ちだった」。強い思いを明かした。

 父でもある東京学館新潟の田村和宏監督(45)は「昨日(15日)は100メートルで負けている。やってやる、という気持ちはあったと思う」と、次女の200メートルに懸ける気持ちを思いやり、代弁した。100メートルは2位に終わって表彰式後に涙を流した。同級生の佐藤も100メートルは2位だった。「絶対、アベック(優勝)しようね、と約束した」。口約通りの男女制覇は「新記録」のおまけ付きだった。

 「インターハイでは23秒台で走りたい」と秋沢は言う。吉田中2年の全国中学校大会では200メートルを制覇したが、同3年夏に右足ハムストリングの肉離れを起こし、高校1年の春先に再び患部に違和感を覚えている。故障に向き合い、迎えた2年目は、中学で全国チャンプになった時と同じ学年だ。田村監督は「再発が怖くて負担のかかるスタートの練習などを課していなかった」と明かすだけに、ここからタイム短縮の要素はたっぷりある。

 今季、県高校記録を2度塗り替えるなど好調。「今日(16日)は父の日。これがプレゼントです」。秋沢は夏にも新記録を父に贈る決意でいる。【涌井幹雄】