【虎になれ】痛い…”岡田に並んだ男”にやられた阪神 決勝弾の広瀬はプロ初の慶応幼稚舎出身選手

AI要約

阪神はソフトバンクに2-0で敗れるも、伊藤将司が2点に抑えるものの勝てず。

新人の広瀬隆太が決勝本塁打を放ち、岡田彰布との縁や異例の経歴などが話題となる。

阪神は打線がつながらず、細かいミスも出て厳しい試合展開になる。

【虎になれ】痛い…”岡田に並んだ男”にやられた阪神 決勝弾の広瀬はプロ初の慶応幼稚舎出身選手

<日本生命セ・パ交流戦:ソフトバンク2-0阪神>◇14日◇みずほペイペイドーム

 また0封負けか。伊藤将司はソフトバンク相手に2点でこらえたが、無得点では勝てない。それも伏兵と言えば失礼だが「9番打者のルーキー」に決勝弾を浴びるとは。23年ドラフト3位で慶大から入団した広瀬隆太か。そんなことをブツブツ言っていたらソフトバンク担当から「大砲候補ですよ」としかられた。

 プロ44打席目での記念すべき1号弾。慶大では通算20本塁打を放っているが、これは指揮官・岡田彰布が早大時代に放ったのと同じ本塁打数で歴代4位タイとなっている。

 担当記者たちから岡田の話を振られて「大学では並んだけどプロでも並びたい」とスカッと話していた。さらに珍しい話題も持っている。「慶大からプロ」は珍しくないが、広瀬は慶応幼稚舎から慶大まで生粋の慶応ボーイ。同幼稚舎出身でプロ野球選手になったのは初めてだという。

 それがどうしたと言えばそれまでだが、「阪神愛」と同時に「早大愛」を貫く岡田にすれば、自分に縁のあるライバル校出身者に痛打を浴びての敗戦にイライラも募ったか。「盗塁のサイン出しても走れへん」などと、思うように運べない試合展開におかんむりだった。

 それにしても打てない。長打が出ない。前日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で原口文仁が1発を放ったが、それでも阪神の今季本塁打数は「26」でセ・リーグ最少。いじいじする試合展開が続く。

 本塁打がなくても勝てばいいのだが、それには細かいプレーが必要になる。その意味で2回、痛いミスが出た。好調の渡辺諒が二塁打で無死二塁。好投手モイネロから先制チャンスだったが豊田寛の遊ゴロで渡辺が飛び出し、三塁で憤死してしまう。打球によっては三進を狙う場合もあるが、この打球は遊撃の正面だ。

 「う~ん。正面やったからね。見えていただろうし。あれは痛かったね。せっかく1回からヒットも出て、いいムードだっただけにね。あそこは行ったらいかんな」。内野守備走塁コーチの馬場敏史はそう苦虫をかみつぶした。

 この日はセ・リーグで阪神が“1人負け”。首位広島との差は開き、3位巨人に詰め寄られた。30勝29敗4分けで貯金1。苦しんだ交流戦は残り3試合だ。ソフトバンク戦2つ、そして日本ハムとの1試合のうちで1勝以上しないと負け越しでリーグ戦再開を迎えることになってしまう。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)