[MOM957]筑波大GK佐藤瑠星(3年)_「黒田監督にリベンジ」PKストップなどジャイキリの立役者に

AI要約

PK戦で活躍したGK佐藤瑠星に焦点を当てる。

佐藤は高校時代のリベンジの思いを秘めてプレーし、PK戦で好セーブを披露。

町田相手にのジャイアントキリングを果たした筑波大の興奮も伝わる。

[MOM957]筑波大GK佐藤瑠星(3年)_「黒田監督にリベンジ」PKストップなどジャイキリの立役者に

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]

[6.12 天皇杯2回戦 町田1-1(PK2-4)筑波大 Gスタ]

 絶体絶命のピンチを救った。後半アディショナルタイムのゴールで同点に追いついた筑波大だったが、延長後半2分、MF徳永涼がエリア内のファウルを取られて、町田にPKを与えてしまう。

 しかしここでGK佐藤瑠星(3年=大津高)が立ちはだかった。FWエリキのシュートを右に飛んで両手に当ててストップ。「蹴る前にエリキ選手がどっちに蹴るかのデータを貰った。それを信じて飛んで止めた感じです」。決勝弾にもなりかねない勝ち越し弾を許すことはなかった。

 さらにPK戦では3人目で蹴ったMF稲葉修土のシュートを足に当てて止めると、4人目のFW荒木駿太のシュートも失敗に導く。試合中にPKを止めたのは初だったという佐藤。「今までやってきたことを信じてやるだけだった。自分のことを信じてプレーしました」と充実の汗を拭った。

 高校時代のリベンジの思いも秘めて戦っていた。高校最後の試合となった3年前の高校選手権の決勝で、佐藤がいた大津高は決勝で青森山田高に0-4で大敗。その青森山田を指揮していたのが、現在町田で指揮を執る黒田剛監督だった。

 佐藤は「黒田監督の青森山田に選手権を負けたので気持ちが入っていた。リベンジできてよかった。4人くらいデータがあった。自分の中でもPK戦はこうやると決めている。あとは余計なことを考えずに飛んで、止めたらヒーローだという気持ちでやっていました」。

 後輩も救ったことになった。佐藤と同じ、当時高校2年生で先発していたFW小林俊瑛(2年=大津高)も同じように、“黒田監督へのリベンジ”に燃えていたが、PK戦では4人目で蹴って失敗。ただ「俺がいるから大丈夫だ」と声をかけて、自らの役目に集中した。

 日本最高峰のJ1で首位に立つ町田を破ってのジャイアントキリング。佐藤も「自分たちはしっかりと準備をしてきた。本当に失うものはなかったし、やるだけだった。全員がボルテージ高くて、今まで以上でした」としばらくは興奮が冷めそうもない様子だった。