殊勲のJ1首位撃破 筑波大、ジャイアントキリング達成に喜び「筑波大の名前を広められた」

AI要約

筑波大は天皇杯2回戦でJ1首位のFC町田ゼルビアと対戦し、延長戦の末PK戦を制して勝利を収めた。

町田は先制するものの、負傷者が相次ぎ10人で試合を強いられる状況になり、延長戦も10人で戦う中で筑波大に追い付かれPK戦に持ち込まれた。

PK戦では筑波大が勝利し、小井土正亮監督は選手たちの奮闘を称え、内野や佐藤瑠星が試合後のコメントで勝利を喜びつつ全員の力を強調していた。

殊勲のJ1首位撃破 筑波大、ジャイアントキリング達成に喜び「筑波大の名前を広められた」

 筑波大(茨城県代表)は6月12日、天皇杯2回戦でJ1首位に立つFC町田ゼルビアと対戦。後半アディショナルタイムに追い付いて延長戦に持ち込むと、PK戦を4-2で制してジャイアントキリングを果たした。小井土正亮監督は試合後のフラッシュインタビューで、「選手たちを誇りに思う」と称えた。

 試合は前半22分に町田がコーナーキックからのデザインされたプレーでMF安井拓也が先制ゴールを決めたが、シュートの際に相手DFと接触して負傷。そのまま担架で運ばれて交代になる。その後も町田は負傷者が出たこともあり、後半25分までに交代枠をすべて使ってしまう。そうしたなか、途中出場したMFナ・サンホが同35分に負傷。10人での戦いを強いられた町田は、後半アディショナルタイム1分にU-23アジアカップのU-23日本代表FW内野航太郎に同点ゴールを決められた。

 このまま試合は延長戦に突入。交代枠が増えたことで、町田はFWエリキを投入して11人に戻ったが、延長前半途中にオーストラリア代表FWミチェル・デュークが左太腿を痛める。デュークはピッチに立ち続けたが、ジョギングが精一杯の状況で町田は実質10人のような状態になった。

 それでも延長後半5分、町田はPKを獲得するがエリキのシュートをGK佐藤瑠星がセーブして得点を許さなかった。同9分には足を引きずりながらもプレーを続けていたデュークがピッチに倒れこみ、町田は再び10人となってしまう。このまま勝ち越し点は決まらずに1-1で勝敗はPK戦に委ねられることになった。

 PK戦では町田の3人目、4人目が立て続けに失敗。筑波大はPKスコア4-2で制し、ジャイアントキリングを果たした。

 筑波大の小井土正亮監督は試合後のフラッシュインタビューで、「すべてを出し尽くして本当によくやってくれた。ありがとう。それだけです。選手たちがこういった大舞台でも自信を持ってプレーしてくれたことを誇りに思う。我々は大学サッカーを牽引していくんだというつもりでこの大会に臨んでいます」と、J1クラブ相手に奮闘した選手たちを称えた。

 殊勲の同点ゴールを決めた内野は、「何も考えずに無心で打ちました」と笑顔。プロクラブ撃破については、「素直に嬉しい。自分も三笘(薫)さんの世代の天皇杯を見て、筑波大のことを知った。子供たちに希望を与えられたじゃないけど、筑波の名前を広められた」と語った。

 また、PK戦でシュートストップを見せたGK佐藤瑠星は、「嬉しいです。余計なことを考えずに、PK練習をやってきたので、自分のやってきたことを信じた。(町田は)さすがJ1首位だなと。苦しい時間ばかりだったけど、全員が一緒に戦ってくれたおかげのこの結果だと思います」と全員の力の勝利だと強調していた。