ジャイキリ献上のJ1名古屋、若手主体で攻撃ちぐはぐ 「もう少しチャンスを」長谷川監督の采配も裏目

AI要約

J1名古屋はJAPANサッカーカレッジに敗れ、2回戦で敗退した。Jクラブ以外に敗れるのは2019年以来。

試合終了の笛が鳴った瞬間、J1の誇りは打ち砕かれた。長谷川監督は準備不足を認めた。

J1チームは守備に崩せない苦境に立たされ、主力選手の不調も響いた。結果的に敗戦を余儀なくされた。

ジャイキリ献上のJ1名古屋、若手主体で攻撃ちぐはぐ 「もう少しチャンスを」長谷川監督の采配も裏目

◇12日 天皇杯第104回全日本サッカー選手権2回戦 JAPANサッカーカレッジ1―0名古屋(豊田スタジアム)

 J1名古屋は格下のJAPANサッカーカレッジ(新潟)に敗れ、2回戦で敗退した。Jクラブ以外に敗れるのは2回戦で鹿屋体育大に敗れた2019年以来となった。

 試合終了の笛が鳴った瞬間、J1の誇りは打ち砕かれた。ゴール裏の名古屋サポーターからはブーイングが響いた。「完敗です。あらためて天皇杯の難しさを肌で感じた。準備が足りなかった」。長谷川監督は悔しさを押し殺して言った。

 9日のルヴァン杯からDF三国、MF椎橋を除く先発9人を入れ替え。チャンスに飢える選手をピッチにそろえた。しかし、J1から数えて5部相当の北信越1部リーグのチームが敷く守備を全く崩せない。「テンポが遅かったのと距離も悪いし、出し手と受け手の意思も合ってない」。椎橋は連係不足からくる攻撃のちぐはぐさを嘆いた。

 0―0で折り返したハーフタイム、指揮官はあえて動かなかった。「もう少しチャンスを与えたい。奮起して彼らがゴールに迫るようなシーンをつくってくれれば」。親心ゆえの采配が裏目に出た。後半6分。左サイドで鈴木、久保の両MFが相手にかわされる。クロスを上げられ、直前のプレーで痛めたDF三国がピッチを出て、数的不利の中央を押し込まれた。失点後に森島ら主力を一気に投入したが、不発に終わった。

 「まずケネ(三国)を戻すことを強く言っていればよかった」とDF井上。かわされたMF久保は、長い沈黙の後に「軽率だった」と目を伏せた。失点直後に交代した19歳のDF行徳は涙をためて言った。

 「チャンスをつかめるかどうかの試合だった。決定的な仕事をできなかったのは悔しいし、交代になったのも信頼が足りていない。もっと、もっとやっていかないといけない」。もう天皇杯で悔しさを晴らせない。後悔や反省を胸に刻んでこそ、この敗戦は初めて意味を持つ。