ソフトバンク川瀬晃「井出さんが回してくれたので」途中出場からヘッスラ内野安打 好走塁で勝ち越し生還 脇役の「準備」が強いチームの理由

AI要約

ソフトバンクの川瀬晃内野手が勝ち越し劇の口火を切り、好走塁で勝ち越しのホームを陥れた。

苦しい展開の中、川瀬は内野安打を放ち、犠打と中前ヒットで生還し、チームに勝利をもたらした。

川瀬は途中出場が多いが、常に準備を怠らず、集中力を切らさずプレーをし、チームを強固に支えている。

ソフトバンク川瀬晃「井出さんが回してくれたので」途中出場からヘッスラ内野安打 好走塁で勝ち越し生還 脇役の「準備」が強いチームの理由

 ◆日本生命セ・パ交流戦 DeNA3―5ソフトバンク(8日、横浜)

 ソフトバンクの川瀬晃内野手(26)が勝ち越し劇の口火を切った。8回の守備から途中出場。9回無死から内野安打で出塁すると、好走塁で勝ち越しのホームを陥れた。今季最多貯金21と強いホークスには素晴らしい脇役が控える。

 7回までに3点をリードしたソフトバンクは、逃げ切り態勢に入り、守備を固めるため山川穂高、近藤健介が退いた。8回に松本裕樹が同点3ランを浴び、勝ちムードは一転。主軸2人がベンチに下がり、攻撃力のダウンは否めなかった。

 苦しい展開の中、9回先頭の川瀬は一塁強襲の当たりを放つと、気迫のヘッドスライディングで内野安打とした。「途中から出た身なので、そんなに気負う必要はないと思って自然と打席には入れた。真っすぐをしっかりと仕留める準備をしながら打席に入りました」と振り返った。

 周東佑京の犠打で二進。今宮健太の中前への当たりで生還した。前進守備の中、中堅正面への痛烈な当たりだったが、グルグルと腕を回す三塁ベースコーチの井出竜也外野守備走塁兼作戦コーチを信じて、懸命に走った。「僕じゃなくて、あれは井出さんが回してくれたので。僕は思いきって走るだけだった」と話した。

 ただ、謙そんしたが、川瀬自身も最高の準備をしていた。「僕はいいスタートを切る準備をしていた。外野が前にいたけど、自分がいいスタートを切れたと思ったので。あとは井出さんの腕を回している姿を見て、全力で走りました」

 スタメンは今季6試合のみ。途中出場で決して打席数も多くない。「そこ(出場機会)でしっかりアピールをして、どういう場面でも試合に出られるようにしていけたらいい」。7日の同カードでも途中出場。10―1と大差で回ってきた9回の唯一の打席でも集中力を切らさず、右前打を放った。「途中から出たときは思い切っていこうと考えている」。その姿勢はこの試合の緊迫した打席にもつながった。

 主力中の主力だった柳田悠岐が離脱後も、勝ち星を積み重ねるソフトバンク。この試合でも代打の嶺井博希、佐藤直樹も結果を残した。どんなときでも準備を怠らない川瀬のような存在がチームを強固にしている。(小畑大悟)