横浜国際プール再整備案に日本水泳連盟が待った! その理由とは

AI要約

横浜市は横浜国際プールの再整備案を明らかにした。国際基準のメインプールを廃止し、スポーツフロア化する方針で、水泳関連団体は継続利用を訴えている。

施設は25年以上経過し、老朽化が進んでいるため、スポーツフロアとしての利用の方が効率的と判断されている。観客席や映像装置も更新される予定。

日本水泳連盟などは、横浜国際プールのメインプールを継続利用することで競技人口の減少を危惧しており、市では市民意見を募集して具体的な案を策定する予定。

横浜国際プール再整備案に日本水泳連盟が待った! その理由とは

 横浜市は3日、横浜国際プール(都筑区)にある国際基準のメインプールを廃止し、スポーツフロア化する再整備案を明らかにした。これに対し、同日に市役所で記者会見を開いた日本水泳連盟などは「公認大会が開けなくなる可能性がある」として継続利用を訴えている。【蓬田正志】

 市によると、横浜国際プールは1998年開業。メインアリーナには水泳の国際基準を満たしたメインプール(50メートル10コース)やダイビングプールを完備。2002年にはパンパシフィック水泳選手権、06年にはアーティスティックスイミング(旧シンクロナイズド・スイミング)のワールドカップなどの国際大会が開かれてきた。別棟には国内基準を満たしたサブプール(50メートル8コース)もある。

 メインアリーナの床は可動式で、夏季はプールに、冬季はスポーツフロアとしてプロバスケットボールBリーグ1部の横浜ビー・コルセアーズの試合などにも利用されている。

 ただ施設は築25年以上が経過し、設備の老朽化で大規模な更新が必要という。床を稼働させる作業に年間5100万円の経費を投入し、時間もかかることから休館期間も発生しているため、施設のあり方を検討。通年でスポーツフロアとして利用した方が多様なスポーツに対応でき、「持続的な施設運営に貢献できる」と判断したという。メインアリーナでは観客席を現行の約5000席から6000席以上とし、多様な興行に対応するため大型映像装置なども更新するとしている。

 一方、記者会見を開いた日本水泳連盟などの関係者はメインプールの継続利用を訴えた。県内には50メートルプールとサブプールを備えた施設は横浜国際プール以外に相模原市立総合水泳場、平塚総合体育館しかない。

 横浜国際のメインプールでは日本水泳連盟公認の長水路の競技会が年約40回開かれているが、規模を縮小したり開催できなくなったりする大会も出てくるという。今年のパリ五輪に出場予定の選手の中には、メインプールで練習を重ねた選手も多いといい、県水泳連盟の古川智己理事長は「このままでは競技人口の減少も危ぶまれる」と危惧する。

 市側は6月下旬から1カ月間、市民意見募集を実施。秋ごろにはさらに具体的な案を策定する。