「金融・資産運用特区」指定が大阪の国際金融都市構想の追い風に 他地域との差別化が課題

AI要約

大阪府と大阪市が政府の「金融・資産運用特区」に指定され、国際金融都市構想を進める。

特区では海外の金融企業を誘致するための支援策が導入され、進出が期待される状況。

大阪の目指す国際金融都市化には東京との差別化や魅力的なアピールポイントが必要とされている。

「金融・資産運用特区」指定が大阪の国際金融都市構想の追い風に 他地域との差別化が課題

大阪府と大阪市が4日、政府の「金融・資産運用特区」に指定された。海外の金融関連企業を誘致することで経済活性化を図る国際金融都市構想を掲げる大阪府市にとって、構想実現の追い風となりそうだが、東京との差別化など一層の取り組みが必要な状況だ。

同構想は、金融分野で先進的な施策を推進して世界中から投資を呼び込み、大阪の飛躍につなげることを狙いとし、令和4年に本格始動した。

海外の金融企業の誘致促進のため、府市は大阪市内に新たに進出した海外の金融関連企業の法人地方税を最大10年間免除する制度を導入。さらに、特区ではさまざまな規制緩和や支援策により海外からの参入障壁が低くなるため、海外の運用会社などの進出が加速する期待がある。

府市の戦略では、7年度までに金融関連企業30社を誘致し、6年度までにユニコーン(企業価値10億ドル以上の非上場企業)3社とスタートアップ(新興企業)300社を創出するとしている。達成状況は、誘致企業が14社、スタートアップが279社、ユニコーンはゼロとなっている。

日本総合研究所関西経済研究センターの藤山光雄所長は「国内では東京が国際金融都市として突出している。地理的に近い大阪が目指すには、東京との差別化や海外企業に拠点を置いてもらえるアピールポイントが不可欠だ」と指摘する。(井上浩平)