【阪神】才木浩人が連敗止める1-0完封劇「俺で止めたると」強心臓の裏には“我流”貫く強い芯

AI要約

阪神才木浩人投手が日本生命セ・パ交流戦で2度目の完封勝利を挙げ、チームの連敗を止めた。

才木は9回6安打無失点で両リーグトップタイの6勝目を挙げた。55年ぶりの2度目の敵地での"1-0"完封勝利となった。

才木は強い芯を持ち、自らの投球フォームを大切にし、自信を持ってマウンドに立つことができる。

<日本生命セ・パ交流戦:ロッテ0-1阪神>◇2日◇ZOZOマリン

 才木さまさまよ! 「日本生命セ・パ交流戦」で阪神才木浩人投手(25)が今季2度目の「1-0」完封勝利で、チームの連敗を止めた。9回6安打無四球無失点の快投で、両リーグトップタイの今季6勝目。1年に2度の敵地「1-0」完封は69年江夏豊以来、55年ぶりとなった。5連敗中だったチームを救い、今季4度目の連敗ストップ。「日曜日の男」が、またも流れを変える力投を見せた。

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 「魔の9回」でも、才木の心はブレなかった。1-0で迎えた9回。先頭小川に中前打を浴び、連打でつながれた無死一、二塁の同点機を招いた。前日までロッテには2試合連続で9回に追いつかれ、逆転負けを喫していた。「嫌な雰囲気はあった」。敵地のムードが最高潮に高まる中、4番ソトを迎えた。

 「最後は気持ちなので。真っすぐで、どんどん押していこうと思っていた」

 フルカウントからの6球目。渾身(こんしん)の直球で詰まらせ、遊ゴロ併殺。続くポランコを直球で二ゴロに打ち取ると、固かった表情がはじけた。9回6安打無四球無失点で両リーグトップタイの6勝目。昨季6月4日にも佐々木に投げ勝つ完封勝利を挙げており、2年連続でロッテ打線を封じ込めた。

 5連敗中とチームが苦しむ中での勝利。連敗を止めたのは今季4度目だ。

 「『絶対オレで止めたる』と思っていたので。良かったです」

 自身は8回途中無失点ながら敗戦した、5月26日巨人戦から始まった負の連鎖。自ら食い止め、5月12日DeNA戦(横浜)以来、今季2度目の「1-0」完封勝利となった。敵地で2度の達成は69年江夏豊以来、55年ぶりの快挙だ。

 強い芯を持つからこそ、どんな状況にも動じない。約3、4年前。同学年の現ドジャース山本由伸が行っていたジャベリックスロー(やり投げ)の練習を周囲から勧められたことがあった。当時、野球界では話題となった練習法。それでも才木は「俺には違う」とキッパリ自己流を貫いた。

 「あれを見てやっても、山本君にはなれない。(山本君も)裏で絶対違うことをやった上で、あのトレーニングをやっているから」

 才木の投球フォームは、一から自分で作り上げたもの。だからこそ大切にするのは自分の体への理解だ。ブレずにやるべき事を重ねてきたからこそ、どんな時も自信を持ってマウンドに立つことができる。

 チームは交流戦5試合目での初勝利。快投を重ねる「日曜日の男」が、またも流れを変えた。【波部俊之介】