話題の「コビトカバ」ってどんな生きもの? タイで生まれた赤ちゃんが世界で大人気に

AI要約

コビトカバはパープルピンク色のかわいらしい外見で、カバとの違いや特徴を持っている。

カバとコビトカバの大きさや生息地の異なる点を比較し、両者の違いを明確に示す。

カバとコビトカバがどちらもスプラッシュゾーンなど特徴的な行動をする点に注目。

話題の「コビトカバ」ってどんな生きもの? タイで生まれた赤ちゃんが世界で大人気に

 タイの動物園で夏に生まれた「ムーデン」が、インターネット上で旋風を巻き起こしている。ムーデンは「弾むブタ」「豚肉団子」「叉焼」などの意味で、光沢のあるパープルピンク色のぽっちゃりしたコビトカバだ。

 コビトカバ(Choeropsis liberiensis)はカバ科の現生種2種の一つだ。もう一方は、科の名前にもなっているおなじみのカバ(Hippopotamus amphibius)だ。

 カバとコビトカバは形も色も似ているが、並べてみると、違いはすぐにわかる。

「主な違いは大きさです」とコビトカバを飼育している米ピッツバーグ動物園水族館の哺乳類学芸員助手カレン・バッコ氏は話す。「コビトカバの大きさは、カバの10分の1です」

 コビトカバは最大で体重約270キロまで成長する。かなり重いと思うかもしれないが、近縁種のカバは4.5トンに達することもある。

 科学者たちはこの2種の厳密な違いを調べており、進化上の興味深い事実もいくつか発見されている。

 おおむね草食であることを考えると、カバとコビトカバの大きさは、どちらもかなり印象的だ。バッコ氏によれば、野生のコビトカバは主に草や水草を食べる。しかし、ムーデンをはじめとする動物園のコビトカバは、主に野菜と栄養価の高い「草食動物用ビスケット」を食べている。

 地理的分布もカバとコビトカバの大きな違いだ。カバはアフリカ中部と南部の全域に生息しており、かつてはアフリカ北部のナイル川沿いと地中海沿岸にも暮らしていた。

 一方、コビトカバは西アフリカの森林や沼地に生息しており、ほとんどの場合、単独で生活している。バッコ氏によれば、これもカバとの大きな違いで、カバは40~200頭の群れで暮らしている。

 それでは、2種の共通点、そして、動物園やサファリで注目すべき点は何だろう? それは「スプラッシュゾーン」だ。

「どちらも尾を前後に振り、スプリンクラーのようにふんをまき散らします」とバッコ氏は話す。