意外に多くの人が知らない…石の3つの謎「石と岩に違いはあるのか」「いったい、石は何種類あるのか」「石が硬いわけ」

AI要約

地球の豊かな恵みと災害をもたらす地質学についての解説

地球を構成する3つの主要な石についての説明

石の多様性や石に対する一般人の関心の高まりについて

意外に多くの人が知らない…石の3つの謎「石と岩に違いはあるのか」「いったい、石は何種類あるのか」「石が硬いわけ」

私たちが暮らす地球は、豊かな恵みを与えてくれるいっぽう、地震、火山噴火などの大きな災害をもたらすこともあります。こうした大地の性質を「地質」といい、これを研究する学問が「地質学」です。

地球はおもに、マントルなど基礎をなす部分に多い「橄欖岩(かんらんがん)」、海洋の近くで多く見られる「玄武岩」、大陸をなす「花崗岩」の三つの石でできているといいます。

今回は、知っているようで知らない「石の3つの不思議」についての解説をお届けします。

*本稿は、ブルーバックス『三つの石で地球がわかる』の内容を再構成してお送りします。

石井さん、石川さん、石塚さん、石原さん、石渡さん。私が所属する日本地質学会の名簿に見つけた、「石」がつく名前です。「岩」も「石がつく字」に含めれば、岩井さん、岩崎さん、岩橋さん……と、さらに数はふえます。

「山」や「川」、「田」などに負けず劣らず、「石」がつく名前もこのように、たくさんあります。みなさんの周りにも何人もいるでしょうし、あるいはご自身がそうかもしれません。これは石というものが、昔から私たちの生活に密着した、ごく身近なものであったことの証左です。

ありふれたものであるだけに、石は「石ころ」とも呼ばれ、なんでも一緒くたに見なされがちです。しかし、「石がつく名前」がたくさんあるように、実は石そのものにも、ものすごくたくさんの名前があるのです。石にはそれだけたくさんの種類があるということです。

しかし、私のような岩石学者に代表される「石オタク」ではない一般の方々にとっては、石の名前というものはとてもややこしく感じられるのではないかと思います。

最近は、美しい岩石や鉱物のカラー写真をたくさん掲載した写真集や図鑑などがよく売れているようで、石への一般の方々の関心が高まっていることは「石屋」として私もうれしいかぎりです。

ところが、せっかく石に興味をもって、もう少し勉強してみようと思っても、岩石や鉱物の本には難しそうな石の名前がずらずら並んでいて、げんなりしてしまうという話を私自身、よく耳にします。結局、一般向けの石の本は、石の姿や面白いエピソードを楽しむだけで、科学についてはあまり書かれていないものが多くなってしまっているようです。

ここでは、まず「石ってそもそもなんだろう」という疑問に答えるべく、「石」の基本についてご説明したいと思います。