ウマはなぜ「特別な家畜」なのか、多くの文化でなぜ名誉ある地位を保っているのか

AI要約

ウマと人間の関わりの歴史やウマの品種の多様性について述べられている。

野生のウマについての情報や、家畜として飼育されていない唯一の純粋な野生馬であるプシバルスキーウマについて言及されている。

ウマの群れの構成や繁殖の仕組みについて述べられている。

ウマはなぜ「特別な家畜」なのか、多くの文化でなぜ名誉ある地位を保っているのか

 ウマと人間は大昔から深い関わりを持ってきた。4000年前にアジアの遊牧民が初めてウマを家畜にしたといわれており、ウマはエンジンが発明されるまで人間社会にとって不可欠な存在だった。戦争での英雄的な功績に結び付けられ、多くの文化圏では、いまでも名誉ある地位を保っている。

 家畜としてのウマは属名としては1つだが、400にもおよぶ品種があり、馬車馬から競走馬までさまざまな専門分野を持つ。すべてのウマが草食である。

 ほとんどのウマが家畜となっているが、野生種も存在する。しかし、これら野生のウマは家畜として飼育されていたものが野生化して繁殖したものだ。例えば、北アメリカに生息するムスタング種は、400年以上前にヨーロッパ人によって飼育されていたウマが逃げ出して野生となったウマの子孫である。

 野生のウマは通常3頭ほどで群れを作る。1頭の種馬(成熟したオス)が、メスと子どもから成る群れを率いる。オスの子馬が2歳くらいになると、種馬はそのオスを群れから追い出す。若いオスは自分でメスの群れを作れるようになるまで、ほかの若いオスと一緒に行動する。

 プシバルスキーウマ(モウコノウマ)は一度も家畜化されなかった唯一の純粋な野生馬といわれるが、皮肉なことに、この頑健なモウコノウマでいまも生存しているのは飼育されている個体だけである。プシバルスキーウマの野生種がモンゴルで最後に確認されたのは1968年のことだ。