「線路」における車両の通り道、レールをふくむ「軌道」は、進化を遂げている

AI要約

乗り鉄、撮り鉄、駅鉄、時刻表鉄など、さまざまな楽しみ方がある「鉄道」追究すればするほど、新たな側面が見えてきて、「鉄道」の魅力には限りがありません。

歴史、技術、鉄道の種類、高速鉄道、運用のしくみ……。

線路とは、車両の通り道をふくむ施設の総称であり、軌道や電気設備、土木構造物によって成り立っています。

バラスト軌道について解説し、バラストの役割やメリットについて述べられています。

「線路」における車両の通り道、レールをふくむ「軌道」は、進化を遂げている

乗り鉄、撮り鉄、駅鉄、時刻表鉄など、さまざまな楽しみ方がある「鉄道」追究すればするほど、新たな側面が見えてきて、「鉄道」の魅力には限りがありません。歴史、技術、鉄道の種類、高速鉄道、運用のしくみ……。車両や線路だけでなく、運用のメカニズムまで徹底的に解説した『最新図解 鉄道の科学 車両・線路・運用のメカニズム』(ブルーバックス)から、特におすすめのトピックを紹介していきます。

今回は、意外と知らない線路を支える「軌道」について解説していきます。

※この記事は、『最新図解 鉄道の科学』の内容を再構成・再編集してお届けします。

線路とは、車両の通り道をふくむ施設の総称です。日本産業規格(JIS)の「鉄道-線路用語」では、「列車又は車両を走らせるための通路であって、軌道及びこれを支持するために必要な路盤、構造物を包含する地帯」と定義されています。

線路は、軌道や電気設備、そして土木構造物によって成り立っています。軌道は、車両の進路を案内しながら、その荷重を支える構造物です。電気設備は、その名の通り電気関連の設備です。土木構造物は、線路の基礎部分で、車両や軌道、電気設備を支える役割をしています。

軌道には、構造が異なる種類があります。おもなものには、バラスト軌道やスラブ軌道、弾性まくらぎ直結軌道があります。

バラスト軌道は、バラストと呼ばれる砂利(砕石)を敷き詰めた軌道です(写真「バラストを敷き詰めたバラスト軌道」)。路盤(軌道を下から支える層)の上には、バラストを一定の厚さで盛ったバラスト道床があり、そこにまくらぎがほぼ等間隔で置かれています(図「バラスト軌道の構造」)。

レールは、まくらぎの上に締結されています。バラストは、まくらぎを支え、路盤にかかる荷重を分散させます。車両通過時に発生する振動や衝撃を吸収するクッションのような役割だけでなく、音を吸収する吸音材のような役割も果たしています。

バラスト軌道は、鉄道の軌道として長らく使われてきました。構造がシンプルで、材料が安価であり、災害時の復旧も容易であるというメリットがあるからです。