ダイヤモンド量子センサーでシリコン製MEMSの応力検出、東北大が成功した意義

AI要約

東北大学の戸田雅也准教授らは、ダイヤモンド量子センサーでシリコン製微小電気機械システム(MEMS)の応力を検出することに成功した。

シリコン製の片持ち梁構造にナノメートルサイズのダイヤモンド結晶を固定し、片持ち梁が振動して発生する応力を光学的に検出した。

MEMSを振動させて、ナノダイヤにかかる応力を計測し、機械振動や応力を観測することが可能となった。

東北大学の戸田雅也准教授らは、ダイヤモンド量子センサーでシリコン製微小電気機械システム(MEMS)の応力を検出することに成功した。シリコン製の片持ち梁(はり)構造にナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)のダイヤモンド結晶を固定する。片持ち梁が振動して発生する応力を光学的に検出できた。量子センサーとMEMSの融合技術になる。

MEMSの表面にナノダイヤの微粒子を噴霧し、その上に二酸化ケイ素を成膜する。すると片持ち梁の表面にナノダイヤがまばらに固定される。ナノダイヤには窒素空孔中心が導入されており、光検出磁気共鳴計測でスペクトルが得られる。

MEMSを振動させて、ナノダイヤに圧縮応力や引張応力がかかった瞬間を計るとスペクトルのピークがずれていた。ずれをモニタリングするとMEMSの機械振動や応力を観測できる。センサーなどの開発につなげる。