アルツハイマー新薬「ドナネマブ」承認へ 原因物質標的、国内2例目

AI要約

厚生労働省の専門家部会は1日、米製薬大手イーライリリーが開発したアルツハイマー病の治療薬「ドナネマブ」の国内での製造販売承認を了承した。

アルツハイマー病は脳の神経細胞が壊れ、認知機能が徐々に低下する病気。

ドナネマブは昨年9月に国内で承認されたレカネマブと同様、Aβを除去し、進行の抑制を狙う。

 厚生労働省の専門家部会は1日、米製薬大手イーライリリーが開発したアルツハイマー病の治療薬「ドナネマブ」の国内での製造販売承認を了承した。ドナネマブは、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβ(Aβ)を除去する働きがあり、同様の薬はエーザイと米バイオジェンの「レカネマブ」に次いで二つ目。今後、厚労相が正式承認する。

 アルツハイマー病は脳の神経細胞が壊れ、認知機能が徐々に低下する病気。脳内にAβと「タウ」というたんぱく質が異常に蓄積することが原因と考えられている。

 ドナネマブは昨年9月に国内で承認されたレカネマブと同様、Aβを除去し、進行の抑制を狙う。対象は軽度認知症と、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の人。壊れた神経細胞の再生は難しく、症状が進んだ人は対象となっていない。

 治験では、タウの蓄積が低~中程度の1182人を調べると、ドナネマブの点滴を受けた人は、偽薬が使われた人よりも、18カ月の試験期間で認知機能の悪化が35%抑えられていた。一方、副作用もあり、ドナネマブを使った人の36・8%で脳内の浮腫や微小出血がみられた。偽薬が使われた人では14・9%だった。