「地震学で多くの人を救うことができるのか」地震オタクの高校2年生 アメリカ留学へ 

AI要約

福代十和(ふくよとわ)さん(16)は、地震学に興味を持ち、将来は減災に取り組む地震学者になりたいと考えている高校生だ。

彼女は東日本大震災をきっかけに地震の恐怖を感じ、災害復興におけるソーシャルキャピタルにも関心を持っている。

福代さんは留学支援制度を利用してアメリカに渡り、ソーシャルキャピタルの違いが災害への影響にどのような影響を与えるかを調査する予定だ。

「地震学で多くの人を救うことができるのか」地震オタクの高校2年生 アメリカ留学へ 

福代十和(ふくよとわ)さん(16)。名古屋市千種区の名古屋大学教育学部附属高校に通う高校2年生です。

福代さん:

「中学1年生の時から、ずっと地震学について勉強しています」

福代さんは、自他共に認める「地震学」好き。「地震学」とは、地震が発生する原因など地震を科学的に研究する地球物理学の1つです。これまで、学校の自由研究やプライベートの時間を使って地震学の勉強を続けてきました。

なぜ、福代さんは「地震学」の勉強を続けているのでしょうか。

福代さん:

「南海トラフとかで、自分もいつか、大切な人や思い出を失う日が来てしまうのかなと考えると怖くて・・・」

きっかけは、2011年3月11日に起きた東日本大震災です。福代さんがまだ4歳の時でした。津波で、家や車が流されていく様子をテレビで見て以降、毎日のように地震のことを考えるようになりました。

福代さん:

「どうすれば、大地震が起きても生き残れるんだろう。大切な人たちを失わずに済むんだろうっていつも考えています」

中学2年生の時には、電力会社の社員に「原子力発電所の必要性」について、インタビューも行いました。将来は、減災について研究する「地震学者」なりたいという福代さん。そんな福代さんが今、関心を高めているもの。それは・・・

福代さん:

「災害復興におけるソーシャルキャピタルについて興味があって調べています」

「ソーシャルキャピタル」とは、社会や地域における人々の信頼関係や結びつきのことです。近年、国内でも「ソーシャルキャピタル」が高いことが「共助」や「互助」を促進して、災害が起きた地域で亡くなる人を減らすことができる可能性があると考えられています。

福代さん:

「アメリカってボランティアが盛んと言われているじゃないですか。1989年にアメリカのカリフォルニア州で発生したロマプリータ地震という地震があるんですけど、その地震の死者数は62人で、同じような地震だった能登半島地震は299人。何でこんなにも死者数の違いがあるのかなと考えたときに、もしかしたら日本とアメリカとソーシャルキャピタルの高さの違いが関係しているんじゃないかなと思いました」

実は福代さん、2024年8月に、文部科学省などが展開する留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN」を利用して、アメリカのカリフォルニア州へ行くことが決まっています。現地では、行政の担当者やロマプリータ地震の被災者に、当時の状況などをインタビューする予定です。

福代さん:

「日本とアメリカでソーシャルキャピタルがどれぐらい違うのか、またソーシャルキャピタルの高さの違いが、減災にどれぐらい影響があったのかを自分の目で確かめたいです」

※能登半島地震の死者数は7月末日の数字です。

福代さんは2024年8月下旬に帰国し、帰国後は、自身のSNSやホームページで調査した内容を発信する予定です。

福代さん:

「災害復興におけるソーシャルキャピタルについて、私がアメリカで感じたことを同世代に向けて発信し、1人でも多くの人に減災について興味を持ってもらえたら嬉しいです」