ぜんそくなど免疫疾患に影響、600の遺伝配列を特定 薬開発に期待

AI要約

免疫関連の病気について、遺伝配列600カ所が特定され、治療薬の開発に期待されていることが発表された。

健康な日本人の細胞から得られたデータを元に、15の免疫疾患と606カ所のエンハンサーの関連性が明らかになった。

研究チームは細胞を独自の手法で解析し、免疫疾患の原因となる遺伝子の働きを調査した。

ぜんそくなど免疫疾患に影響、600の遺伝配列を特定 薬開発に期待

 炎症性腸疾患やぜんそく、関節リウマチなど免疫に関わる代表的な15の病気について、発症の原因となりうる遺伝配列600カ所を特定したと、理化学研究所や京都大などのチームが発表した。治療薬の開発につながると期待される。論文が4日付米科学誌サイエンスに掲載される(https://doi.org/10.1126/science.add8394)。

 アレルギーや1型糖尿病など免疫が関わる疾患の多くは、詳しい発症のメカニズムがわからず、治療も難しい。一方で特定のたんぱく質を体内で増やす「エンハンサー」と呼ばれる遺伝配列の変異が発症に関わることがわかってきた。

 そこで理研の小口綾貴子(おぐちあきこ)リサーチアソシエイトらのチームは、免疫疾患に関わることで知られる血中のヘルパーT細胞に着目。健康な日本人3人から提供を受けたものを中心に、計約100万個の細胞について、独自に開発した手法を使って遺伝配列の働きと免疫疾患の関係を調べた。

 その結果、606カ所のエンハンサーが15の代表的な免疫疾患の発症に関わる可能性があることがわかったという。