ISSの高度を上昇させるシグナス補給船 リブースト中に撮影した画像をNASAが公開

AI要約

2024年5月24日、ISSに係留中のシグナス補給船運用20号機がリブーストを行いました。希薄な大気の抵抗による減速を補うため、定期的なリブーストが必要です。

シグナス補給船は、スペースシャトルやATVの後継としてリブースト機能を担い、2024年5月24日に速度を毎秒2.26m増加させました。

リブーストの成功により、後日打ち上げ予定のプログレスMS-27補給船の条件を整えることができました。

ISSの高度を上昇させるシグナス補給船 リブースト中に撮影した画像をNASAが公開

こちらは国際宇宙ステーション(ISS)に係留中の「Cygnus(シグナス)」補給船運用20号機です。2024年5月24日に撮影されました。画像をよく見ると、シグナス補給船のエンジンから噴射された燃焼ガスが太陽電池パドルに半ば隠れるようにして写っているのがわかりますでしょうか。

この日、ISSではシグナス補給船のエンジンを使ったリブースト(軌道上昇)が行われました。ISSは地球の高度約400kmを飛行していますが、この高度でも希薄な大気が存在します。ISSはわずかな大気の抵抗によって少しずつ減速し高度が下がってしまうため、有人宇宙船や無人補給船のエンジンを使って加速させて軌道を修正するリブーストが定期的に行われています。

ISSのリブーストはアメリカの「Space Shuttle(スペースシャトル)」、ロシアの補給船「Progress(プログレス)」、欧州の補給船「ATV(欧州補給船)」を使って実施されてきました。スペースシャトルとATVの退役後はプログレス補給船がリブーストを担ってきましたが、シグナス補給船によるリブーストも2018年の運用9号機(この時は試験的に実施)と2022年の運用17号機で実施されています。

アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、2024年5月24日はシグナス補給船運用20号機によるリブーストが2回に分けて行われました。ISSの速度は合計で毎秒2.26m増速し、リブーストから数日後に予定されていたロシアのプログレスMS-27補給船(※日本時間2024年5月30日打ち上げ・6月1日ISS到着)の打ち上げ条件を整えることができたということです。

リブースト中のシグナス補給船の画像はNASAジョンソン宇宙センターから2024年6月4日付で公開されています。

Source

NASA – NASA Image and Video Library

NASA – ISS Daily Summary Report – 5/24/2024