遠回りしながら結成30周年 子育てや介護経た女性ロックユニット「SWEETS」の現在地

AI要約

福岡を拠点に活動する女性ロックユニット「SWEETS」が結成30周年を迎えた。大学時代に路上ライブが人気を呼び、メジャーデビュー。しかし、プロの世界になじめず解散、帰郷して再結成した。

ボーカルのkazu(カズ)さん=行橋市=とギターのmitchy-(ミッチー)さん=福岡市=は、九州産業大芸術学部の同級生。大学1年だった1994年のクリスマスイブに、パーティーで意気投合してユニットを結成した。

ミッチーさんがかき鳴らすアコースティックギターに乗せ、カズさんが歌うパワフルなロックは評判を呼び、福岡市・天神での路上ライブには300人以上が詰めかけた。97年に「BLACK JACK」でデビューしてヒット。アルバム3枚をリリースした。

遠回りしながら結成30周年 子育てや介護経た女性ロックユニット「SWEETS」の現在地

 福岡を拠点に活動する女性ロックユニット「SWEETS」が結成30周年を迎えた。大学時代に路上ライブが人気を呼び、メジャーデビュー。しかし、プロの世界になじめず解散、帰郷して再結成した。シンデレラストーリーとは違う道を歩いて来た2人の歌が今、胸に染みる。

 ボーカルのkazu(カズ)さん=行橋市=とギターのmitchy-(ミッチー)さん=福岡市=は、九州産業大芸術学部の同級生。大学1年だった1994年のクリスマスイブに、パーティーで意気投合してユニットを結成した。

 八女市矢部村出身のカズさんは、幼い頃から満天の星に向かって歌うのが好きだった。水泳選手を目指していたミッチーさんは、シンガー・ソングライター「和-IZUMI-(旧名・橘いずみ)」さんの歌を偶然聴いて、音楽に目覚めたという。2人でカバー曲を演奏するうち、カズさんにとっても大事な存在になっていった。

 ミッチーさんがかき鳴らすアコースティックギターに乗せ、カズさんが歌うパワフルなロックは評判を呼び、福岡市・天神での路上ライブには300人以上が詰めかけた。97年に「BLACK JACK」でデビューしてヒット。アルバム3枚をリリースした。

 上京して順風満帆に思えたが、売れる曲を求められ続けることに耐えられず、99年に解散。その後、カズさんは結婚して2児をもうけ、ミッチーさんは親の介護のために帰郷し、多忙を極めた。

 2人の人生が再び交わったのは2015年。東京で結婚していたカズさんが夫の転勤で行橋に移り、ミッチーさんの母親の葬儀に参列した。遺影を見て、ずっと応援してくれていたことを思い出した。「2人でもう一度やろう」。再結成が決まった。

 今月25日には2人が音楽を始める原点となった「和」さんを招いて30周年記念ライブを開く。

 カズさんは「くじけたこと、子育て、身近な人との別れ…いろんな経験が歌に生きている」。ミッチーさんは「故郷で歌えるのは本当に幸せ。楽しく真剣にやっていきたい」と語る。2人が奏でる「BLACK JACK」のこんな歌詞も深みを増してきた。

 「どこかに近道はないのかと 遠回りをしながら探してる 誰か私にうまい生き方を教えてくれよ」

■「和-IZUMI-」×SWEETSライブ 

25日午後6時から、福岡市博多区中洲の「Gate’s7」=092(283)0577=で。チケットは4千円。