徳地中の生徒が獅子舞披露 県美「奈良大和路のみほとけ」展で記念対談【山口】

AI要約

山口市の県立美術館で開催中の企画展「奈良大和路のみほとけ-令和古寺巡礼」に関連した記念対談が19日、県立山口図書館で行われた。展示では伝えきれなかった山口とゆかりの深い奈良にある東大寺や唐招提寺の魅力を来場者約200人に語った。

対談前には、徳地と奈良をつなげた獅子舞を披露。200年前に同じ作者が手掛けた獅子頭が、市歴史民俗資料館で企画展された。

奈良には歴史と現在が交差する場所があり、地域のアイデンティティーを守ることの重要性が訴えられた。

徳地中の生徒が獅子舞披露 県美「奈良大和路のみほとけ」展で記念対談【山口】

 山口市の県立美術館で開催中の企画展「奈良大和路のみほとけ-令和古寺巡礼」に関連した記念対談が19日、県立山口図書館で行われた。奈良や平安時代の仏像に関する展示を監修した帝塚山大の関根俊一客員教授と奈良市観光大使で文筆家の倉橋みどりさんが、展示では伝えきれなかった山口とゆかりの深い奈良にある東大寺や唐招提寺の魅力を来場者約200人に語った。

 対談前には、昨年度で閉校した柚野木小卒業生で、現在徳地中に通う配川侑斗君(2年)と賀屋蔵之佑君(1年)、石川龍成君(同)が、時を超えて徳地と奈良をつなげた獅子舞を披露。徳地の柚木神社と帝塚山大が所有する獅子頭は200年前に同じ作者が手掛けた〝兄弟〟と判明し、2022年に市歴史民俗資料館で企画展が行われた。

 対談では、徳地ゆかりの重源上人による尽力で再建された東大寺の各堂や仏像を紹介。大きなたいまつで有名な春の行事「お水取り」を行う二月堂や戒壇堂の四天王像について解説した。

 仏像写真で知られる奈良県出身の写真家、入江泰吉(1905~92年)による同寺にある広目天像の撮影秘話も披露。唐招提寺の鑑真和上坐像や當麻寺(たいまでら)の曼陀羅(まんだら)など各寺の宝物の魅力も伝えた。

 山口市で育ち、結婚を機に奈良に移った倉橋さんは「奈良には今をどう生きるかを問い掛ける寺や仏様がいるように感じる。歴史が現在につながり、自分もその一部だと実感することが多い」と話した。

 関根客員教授は「展覧会には持って来られない素晴らしい寺や仏像を奈良で実際に見てほしい」と伝えた。地域の過疎化により仏像の盗難が増加していることに触れ「徳地の子どもたちのように若者が伝統文化を理解し、継承することはとても大事。地域のアイデンティティーを守り続けてほしい」とも訴えた。