秋分の日、ヒガンバナ開花遅れ 江里山の棚田(小城市) 9月22日 猛暑、雨不足が影響

AI要約

秋分の日を迎え、小城市の江里山の棚田ではヒガンバナの開花が遅れ、色あせた状態で見頃を迎えている。

標高600メートルに広がる棚田では、例年ならば真っ赤なヒガンバナが帯状に咲き誇るが、今年は開花がまばらで花弁が焼けた個体も多く見られる。

22日には恒例の「江里山ひがん花まつり」が開催され、地元の高校生による吹奏楽演奏などが中止となったが、地元農産品の販売などが予定されている。

秋分の日、ヒガンバナ開花遅れ 江里山の棚田(小城市) 9月22日 猛暑、雨不足が影響

 22日は秋分の日。日本の仏教では秋彼岸(ひがん)の中日と定められ、ヒガンバナが見頃を迎える。例年、県内外から多くの人が散策に訪れる小城市の名所「江里山の棚田」は猛暑や雨不足の影響で開花が遅れ、花が色あせてしまうなどの異変が起きている。

 標高600メートルに広がる約600枚の棚田を縁取るように、例年ならば真っ赤なヒガンバナが帯状に咲き誇る江里山地区。今年は開花がまばらで、赤い花弁が日光で白く焼けた個体も多く見られる。毎年訪れる福岡県大川市の梅﨑秀信さんは「昨年はあんなにきれいだったのに残念」と肩を落とした。

 棚田でソバを作りながら保全活動に取り組む岡本弘道さんは「20年くらい畑をしているが初めての現象。猛暑や雨が不足したことが原因だろう」と話す。9月は20日までに、県内で14日連続で猛暑日を記録し、雨を計測したのは4日ほどにとどまった。開花は来週にかけてピークを迎えると予想される。

 棚田では22日、恒例の「江里山ひがん花まつり」が開かれる。雨の予報で地元の高校生による吹奏楽演奏は中止になったが、ソバなど地元農産品の販売などを企画している。

 太陽と地球の位置関係から昼夜の長さが等しくなる「秋分点」が計算され、秋分の日は年によって変動する。今世紀で22日が秋分の日になるのは2020年以降4年ぶり4回目。(上田遊知)