京都の自然豊かな町、デザインで伝えたい 東京の男性が体験したのは「山の近さと澄んだ空気」

AI要約

小川貴之(35)はデザイン企画会社を経営する実業家。クリエイターやデザイナーに憧れ、博報堂で5年間の経験を積んだ後に独立。京都府京丹波町のタウンプロモーションにも携わり、地域の魅力を広める取り組みに力を入れている。

自ら手がけた町のプロモーションロゴや空間デザインは、豊かな自然や未来に向けた想いを表現。京丹波町を他の地域と同様に魅力的なブランドに育て上げることを目指している。

「地域のポテンシャルを最大限に引き出し、課題解決に取り組み、多くの人に良いイメージを持ってもらいたい」という小川さんの思いが、活動によって具体化されている。

京都の自然豊かな町、デザインで伝えたい 東京の男性が体験したのは「山の近さと澄んだ空気」

 小川貴之(おがわ・たかゆき)さん(35)は、デザイン企画会社を経営する実業家。企業の特性を生かしたロゴや空間デザイン、広報戦略を手がける。京都府京丹波町のタウンプロモーションにもデザイナーの立場で携わり、「デザインの力で課題を解決し、地域を盛り上げたい」と力を込める。

 東京都町田市出身。中学時代、クリエイターやデザイナーが身の回りにある物を多彩な発想でつくるテレビ番組を見て、デザインの世界に引き込まれた。

 多摩美術大学グラフィックデザイン学科で学び、卒業後は博報堂に入社。クライアントの要望に応じた商品のポスターやCM制作、PRイベントの企画を5年間経験した。

 その後、2022年夏に自身が代表を務める「RightDesignInc.」を設立。大手コンビニのブランドロゴやパッケージデザインの刷新を手がけた。

 京丹波町との接点が生まれたのは、その頃。日本酒の新ブランド立ち上げで付き合いのあった京都市伏見区の酒蔵から田植えイベントに招待され、向かった先が同町和知地域だった。

 住み慣れた東京とは違い、「山の近さと、澄んだ空気にびっくりした」と振り返る。

 仲間と再び同町を訪れた際、道の駅や質志鐘乳洞、料理旅館などを巡る中で、「ポテンシャルはあるのに、価値をうまく伝えられていない」と感じた。

 町の課題や今後のビジョンをまとめ、役場に提案した。

 町の魅力を内外に発信する官民連携組織「京丹波イノベーションラボ」のかじ取り役や、マルシェイベントでの空間作り、グラフィックデザインを一手に担う。

 昨年、新たにデザインした町のプロモーションロゴには緑や黄緑の波線を描き、町の象徴である豊かな自然と、その魅力が永続的に周囲へ広がっていくよう願いを込めた。

 「軽井沢、十勝などと聞くと、おいしそうなイメージが自然と頭に浮かぶ。そんな良いイメージを多くの人に持ってもらえるように、京丹波町をブランド化していきたい」