世界No.1フーディー浜田岳文が通う、日本の名店リスト40を公開

AI要約

フーディーであり著者の浜田岳文氏が、食を学ぶために大切なことを語る。季節感や食材の旬、地方の店舗の魅力などが紹介される。

ひとつの店に通い続けることで季節感を感じることができる。例えば、夏の鮪などが冬とは異なる魅力を持つことを指摘。

浜田氏が通うお店「鮨さいとう」を紹介し、地方のレストランシーンの活気についても触れる。

世界No.1フーディー浜田岳文が通う、日本の名店リスト40を公開

大人になって何かにハマったり、何かを習うことは、刺激的で日常を鮮やかに彩るもの。もしかしたら生き方がガラッと変わるかもしれない! これから始めたい趣味、嗜みを、その道のプロから最上&最新の品とともに教わる。今回は「美食」を学ぶ。

南極から北朝鮮まで127ヵ国・地域を食べ歩き、OAD Top Restaurantsレビュアーランキングで世界1位になったフーディー、浜田岳文氏。食べることが改めて再定義された、とベストセラーになっている話題の書籍『美食の教養』の著者でもある。改めて食を学べる、何かよい取り組みはあるのか。

「まずは、ひとつの店に通い続けることです。日本の大きな特色は四季がはっきりしていること。季節を同じ店で一巡するだけでも、いろんなことが見えてきます」

食材には旬があって、特定の季節が美味しいとされる。だが、それ以外の季節はどうなのか。

「例えば、鮪といえば脂がのった冬が美味しいと思っている人は多い。でも、夏の鮪を評価しないのは、もったいないですね。若干、酸味があって、軽やかで、飽きずに食べられる。冬の鮪だとこうはいかないんです」

ひとつの店に通い続けると、こうした季節感が見えてくると言う。旬といわれるものも、実は出されるタイミングが必ずしも本当の旬ではないのだ。

「白トリュフは解禁になった10月によく食べられるのですが、実は本当に美味しいのは、11月下旬から12月。走りものに惑わされないためにも、ひとつの店に通ってほしいです」

そんな浜田氏が足しげく通う店が「鮨さいとう」だ。

「日本の鮨において、現代の最高峰だと思っています。当然のことながらよい食材が使われていますが、市場で一番高い魚介を買っているわけではありません。なのに、それが握りとなると最高峰になるのは、齋藤孝司さんの鮨職人の力量があってこそ。他の鮨店を回って、ここに来ると、それを実感します」

定期的に通うお店を持つことは、その行きつけが自分にとってのホームグラウンドになり、他のお店を体験するうえでのひとつの物差しになるのだ。

そしてもうひとつ、今、面白いのが地方の店だと言う。

「近年、地方のレストランシーンが静かに、しかし確実に熱を帯びています。都市部の店は案外、多様性がないんです。同じような食材の仕入れですから、どうしても料理が似通ってしまう。ところが地方には、個性的なお店が多い」

例えば、地元ならではの食材で勝負する店。

「鮮度が圧倒的に味を左右する食材もありますから、食材に近い所で店をやりたいということですね。産地でしか提供できない料理を味わえます」

一方で、そうでない面白さもあるそうだ。

「その食材がない季節があるわけです。そうなると問われるのは料理人の技術。実は地方こそ、高い技術が求められるのです」

都市部から地方に移る料理人も確実に増えていると言う。そして、今では海外のフーディーも日本各地を回り始めている。どうやら地方の美食から目が離せなさそうだ。