「やたら」とご飯が進む郷土料理「やたら」を作って学ぶ食育「生のふりかけって感じ…」昔懐かしい箱膳での食事体験で和食のルールの講習も
北信地方の飯綱町で古くから親しまれてきた「やたら」という郷土料理を若い世代に伝える体験講座が開かれました。
参加者は食育を通じて「やたら」の歴史や作り方を学び、実際に挑戦してみて感想を述べました。
地元の食文化を大切にし、後世に伝えるために食育活動を継続していく意向が示されました。
長野県の北信地方で古くから親しまれている郷土料理が「やたら」です。
この「やたら」を若い世代に受け継いでいこうという体験講座が7日、飯綱町で開かれました。
きゅうりやなすなどの夏野菜と大根の味噌漬けを細かく刻んで混ぜ合わせて作る「やたら」。
飯綱町など北信地方の郷土料理で、2023年には、食文化の継承を目指す文化庁の「100年フード」にも認定されました。
この「やたら」をテーマに、食育について学ぶ体験講座が飯綱町で開かれました。
住民10人余りが参加し、まずは、「やたら」の歴史や栄養効果などを管理栄養士や学芸員から学び、理解を深めました。
その後は、採れたての材料を使ってやたら作りに挑戦!
だんどりの会 黒柳博子会長:
「大きさが、8ミリでも5ミリでも3ミリでも、味がちょっとずつ違います。だから自分の好みで、細かいのが好きな人は細かく切ってください」
講師を務めるのは、町内で「やたら」の普及や食育推進活動に取り組む「だんどりの会」の会長黒柳博子(くろやなぎ・ひろこ)さんです。
だんどりの会 黒柳博子会長:「(やたら)は、やっぱりご飯がおいしい。いっぱい食べられる。夏の食欲がない時にあるものを刻んでご飯に載っけて食べれば、すぐおいしい。生のふりかけって感じだからね」
参加者の最年少は3歳。
参加者同士の交流が深まるのも講座の魅力の一つで、野菜の大きさを調節しながら自分好みの味に仕上げていきます。
参加者:
「みじん切りするのが大変だけど、工程としてはそんなに難しくなかった」
完成後にも食育活動があります。
それが、箱膳(はこぜん)体験。
講師:
「箱を開けたときにおかずを見たら喜びが感じられる、何が入っているんだろうな~というところで(箱膳体験を始めた)。それから並べ方を皆さんに学習してもらいたい」
江戸時代から60年ほど前まで使われていたとされる箱膳で、和食のルールや箸の使い方などを学びました。
「いただきます」
ご飯とともに味わう「やたら」の感想は?
参加した子ども:
「おいしかった」
参加者:
「オクラを入れたことなかったのですが、初めて入れて作ったらすごくいい働きをしていて感動しました。ちょっととろみがつくから、全体がまとまりが効いているなと思いました」
だんどりの会 黒柳博子会長:
「やたらのおいしいっていうのは、採りたて。八百屋さんで買ってきた野菜ではなくて自分の庭で採ってきたものをすぐ食べる、そこがおいしいところだと思います」
「郷土食を若い人たちに、子どもたち、孫たちに伝えていきたいかなと」
町民にずっと親しまれてきた郷土料理「やたら」。
後世に伝えていくため、食育活動を行っていきたいとしています。