「視線アート」で振り袖 龍ケ崎の呉服店制作 重度障害女性が描き、絵柄に 茨城

AI要約

茨城県龍ケ崎市砂町の佐沼屋呉服店が、重度の身体・知的障害のある女性が目の動きで描いた絵を使い、振り袖を制作した。

女性は岩手県在住の三浦りんさん(22)で、視線入力アートを通じて自己表現を行っている。

振り袖は店舗で展示され、購入やレンタルも可能となっている。

りんさんの絵は、振り袖の絵柄に取り入れられ、菜の花畑などの作品が使用されている。

視線入力ソフト「EyeMoT」を使用して描かれた絵は、青色の振り袖にぴったりの色合いだった。

同店では車いす用の振り袖を取り扱い、りんさんが毎朝描く絵を活用して製作を行っている。

かおるさんは、作品を通じて障害や視線入力アートの世界を広めることに期待を寄せている。

「視線アート」で振り袖 龍ケ崎の呉服店制作 重度障害女性が描き、絵柄に 茨城

茨城県龍ケ崎市砂町の佐沼屋呉服店が、重度の身体・知的障害のある女性が目の動きで描いた絵を使い、振り袖を制作した。同店が扱う「車いす用の振り袖」がつないだ縁で、女性が描いた絵を着物の柄に取り入れた。同店の石島通孝社長(69)は、「誰でも自分を表現できることを伝えたい」と制作への思いを話す。

女性は岩手県在住の三浦りんさん(22)。生後2カ月の時、難治性のてんかんを発症し、身体・知的に重い障害が残った。中学3年生の時、「視線入力アート」に出合った。

視線入力は、目の動きを装置が検知して入力する仕組み。りんさんは島根大の伊藤史人助教が開発した視線入力訓練ソフト「EyeMoT(アイモット)」で制作を行う。画面下のパレットを注視すると色が選択でき、キャンバスの色や、筆・スプレーなどのツールも同様に選べる。

同店は上下2部式で座ったまま着られる車いす用の着物を取り扱う。約1700種類の着物から好きなものを選び、車いす用に仕立てる。りんさんは選択肢の多さを決め手に来店し、青色の振り袖を選んだ。

絵を毎朝1枚描くのが、りんさんの日課。振り袖を選んだ数日後に描いた絵は、振り袖と同じ青色に花がちりばめられたような作品だった。母かおるさん(56)は、「振り袖が、ちゃんと心に残っていた」と振り返る。

今回、「二十歳の振袖」と、菜の花畑を見て描いた「菜の花畑」の2点を振り袖の絵柄にした。かおるさんは「作品として楽しんでもらい、障害のことや視線入力アートの世界を知ってもらえたら」と期待を寄せる。

りんさんの絵は、同店内に9日までパネル展示される。振り袖は9日以降も店舗で見ることができ、購入やレンタルもできる。