「備蓄を確認」静岡県は3割強「行動変容は限定的」 東京大大学院調査 南海トラフ臨時情報発表で

AI要約

東京大大学院情報学環総合防災情報研究センターが南海トラフ地震に関するアンケート結果をまとめた。

静岡県を中心に備蓄確認などの行動が一部上回る結果に。

東海地震対策の影響で高い「備蓄の確認」項目に注意が向かったが、大きな行動変化には至らなかった。

 東京大大学院情報学環総合防災情報研究センターの関谷直也センター長らのグループは7日までに、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表を受けて全47都道府県の住民に実施したアンケートの結果をまとめた。情報を見聞きした後の行動で、本県は「水や食料などの備蓄を確認した」との回答が3割強となり、防災対策推進地域がある28府県の平均を上回った。ただ、約7割は備蓄の確認をしなかったと考えられ、関谷センター長は「行動変容は限定的だった」と指摘する。

 調査は8月9~11日にウェブで実施した。47都道府県から計9400人分を回収し、南海トラフ地震の防災対策推進地域を含む府県とそれ以外の結果を比べた。東京都は島しょ部のみのため、「含まない」として分析。情報入手後の行動は18項目を複数選択式で聞いたという。

 静岡県の結果を抽出すると、「備蓄を確認した」は31・1%だったのに対し、推進地域がある府県の平均は19・7%だった。「ガソリンを満タンにした」でも本県は8・7%で推進地域の4・9%を上回った。一方、「家族との連絡方法を確認した」は5・6%、「避難生活を送る避難所を確認した」は4・3%で推進地域の平均をそれぞれ下回った。「特に何も行動は取らなかった」は16・1%だった。

 関谷センター長は、「備蓄の確認」などの項目で高かった理由を「東海地震対策で行動を促されてきた」とみる。一方で、静岡県含めて推進地域全体で大きな行動の変化にはつながらなかったと分析した。