大規模災害時の訪日客帰国を議論 山梨、静岡、長野、新潟4県が研究会 被災免れた空港へ

AI要約

山梨県の長崎幸太郎知事は、長野、新潟、静岡、山梨の4県が大規模災害時の訪日外国人観光客帰国支援の研究会設置に合意したことを発表。

4県は南海トラフ地震で国内主要国際空港が使えなくなる可能性を想定し、新潟空港や松本空港をインバウンド帰国の手段として検討する。

研究会では多言語化での情報提供や緊急時の空港利用規制緩和などがテーマとなり、成果を目指して進められる予定。

大規模災害時の訪日客帰国を議論 山梨、静岡、長野、新潟4県が研究会 被災免れた空港へ

山梨県の長崎幸太郎知事は5日の定例会見で、長野、新潟、静岡、山梨の4県による大規模災害時の訪日外国人観光客(インバウンド)帰国支援の研究会設置で合意したと発表した。南海トラフ地震では中部国際空港などの国内主要国際空港が使えなかったり、混乱することが想定される中、被害想定範囲外の新潟県の新潟空港と長野県の松本空港を4県のインバウンド帰国に活用する手段を検討する。

先月8日に南海トラフ地震臨時情報が出されたなかで、大規模災害時のインバウンド帰国支援の対策が不十分であることが判明したため山梨県が提案し、4県連携で対策を進めることにした。事務局は山梨県が務め月内に準備会を設置し、テーマ設定などを始める。観光庁や内閣府にも参加を求める。長崎氏は「今年度内に一定の成果を出したい」と語った。

4県の令和5年外国人延べ宿泊者数は約430万人で、1日あたり1万人超が宿泊している計算だ。これに日帰り観光客も加わるとさらに対象は拡大する。しかし、南海トラフ地震が起きると成田空港、羽田空港などで大混乱が起きるほか、中部国際、関西国際の両空港は震源地の中心になりかねず、使用が難しい状況が予想される。

そういった中で新潟空港と松本空港は南海トラフ地震の被害想定範囲外であることから、インバウンドの出国に使用は可能だ。日本海側で災害が起きた場合は、静岡県の富士山静岡空港が使える。この環境を4県のインバウンド帰国に活用するためにさまざまな課題の研究を進める。

多言語化での情報提供、大使館との連絡や調整、緊急時の空港利用規制の緩和、空港までの輸送手段の調達などがテーマとなるもようだ。