大屋根にサビが…隈研吾氏設計の複合拠点施設、新潟県長岡市が本格修繕へ

AI要約

長岡市の複合拠点施設「アオーレ長岡」において、施設の長寿命化作業が2024年度に本格化する。施設はオープンから12年が経ち、設備の更新が必要とされている。市は計画的な更新と予算の平準化を図り、市民の利用に影響が出ないよう配慮している。

アオーレ長岡は、隈研吾氏の設計による5000人収容のアリーナを含む施設であり、市民交流スペースや市役所本庁舎の機能も備えている。市民の利用が多く、維持費がかさむ施設として注目されており、修繕費が年々増加している。

今後30年間の長期計画を策定する一方、24年度には大屋根の鉄骨部の塗装工事に着手する。塗装は鉄骨の腐食を防ぎ、鉄骨の耐久性を保つために必要な作業となる。計画的な修繕を進めつつ、市民協働の場としての機能を維持していく方針。

大屋根にサビが…隈研吾氏設計の複合拠点施設、新潟県長岡市が本格修繕へ

 新潟県長岡市大手通1の複合拠点施設「アオーレ長岡」について、市は2024年度、施設の長寿命化に向けた作業を本格化させる。オープンから12年がたち、設備関係が次々と更新時期を迎える中、長期修繕計画を策定する。さびが目立ってきた大屋根鉄骨部の塗装工事にも着手する。市民の利用に影響が出ないよう、計画的な更新と、予算の平準化にも取り組む。

 アオーレ長岡は2012年、JR長岡駅前の旧厚生会館跡地に建てられた。5000人収容のアリーナ、屋根付き広場「ナカドマ」やホールなどの市民交流スペース、議場や市役所本庁舎の機能が集まる。設計は建築家の隈研吾さんが手がけた。22年度は83万6293人が利用した。

 JR長岡駅と高架歩道で直結し、閉庁時も通路や休憩所、公衆トイレの機能も持つ。さまざまな人が時間帯に関係なく行き交う施設だけに、一般的な行政庁舎に比べて維持費はかさむ。酒に酔った人が椅子を壊したこともあるという。23年には敷地内のベンチが燃える事件もあった。

 長岡市管財課によると、修繕費は年々増えており、23年度は約3900万円(見込み額)で4年前の2・8倍となった。現在は建設時の保全計画に基づき対応しているが、実態と合わない点も出てきたため、改めて計画を作ることにした。

 今後30年間を見通し、給排水や空調、電気関係など設備全般について、外部委託して策定する。屋根や壁といった建築部分の修繕計画は、市の担当課で別に検討する。

 長期計画とは別に、24年度は大屋根の鉄骨の塗装に3年計画で取りかかる。雨水がたまる接合部などでさびが目立ち、放置すると鉄骨が薄くなる恐れがあるという。鉄骨の塗り直しは初めてとなり、24年度は設計に充て、25、26年度に進める。

 長岡市管財課の松尾典子課長は「数年先まで予定が入っているイベントもある。市民協働の場として維持していくために、関係者と相談しながら計画的に修繕を進めたい」と話した。