復興はまだ道半ば 北海道・胆振東部地震で多くの犠牲者出た厚真町 献花台に町民ら花手向ける

AI要約

北海道・厚真町で6年前に発生した胆振東部地震の被害と、その復興の現状について報じられています。

厚真町で犠牲者が出た吉野地区の献花台を訪れ、地震による被害を忘れない想いを語る市民の姿が描かれています。

地震で被災し亡くなったコメ農家の正芳さんの思いを胸に、兄貴と思っていた佐藤泰夫さんが田んぼを引き継ぎます。

復興はまだ道半ば 北海道・胆振東部地震で多くの犠牲者出た厚真町 献花台に町民ら花手向ける

あの日から6年。今年も実りの秋を迎えています。

「黙とう」

2018年9月6日午前3時7分。北海道・厚真町で最大震度7の揺れを観測し、44人が犠牲となった胆振東部地震。

井口七海記者)

「被害の大きかった厚真町の献花台では、朝から町民が花を手向けました」。

37人の犠牲者が出た厚真町。土砂崩れが起きた吉野地区には、今年も献花台が設置されました。

献花に来た人(苫小牧から)

「もう6年もたったかなというような感じ。何年たっても忘れることはないと思いますね」。

献花に来た人(1年目からボランティアに参加)「もっと足を運んで良いところを伝えていけたら」。

厚真町でコメ農家を営む佐藤泰夫さん(69)はあの日、いとこの正芳さんを失いました。

佐藤泰夫さん)

「隣にあるはずのいとこの家が全く見えないんだよね。これは大変なことになったなって。兄貴みたいな感じだったもんね」。

佐藤さんの自宅の裏山では地すべりが発生。一家5人は無事でしたが、50メートル先のいとこの正芳さんは、家ごと土砂に巻き込まれ亡くなりました。佐藤さんは今年、同じくコメ農家だった正芳さんの田んぼを買い取り、引き継ぐことを決めました。

佐藤泰夫さん)

「遺族から今年春に『売りたいんだ』と話をもらったから。やっぱり守っててやろうかなと。全く知らない人に譲るよりも」。

稲穂が垂れる秋。正芳さんの思いと共に収穫を迎えます。

厚真町では今年3月、地震で被災した道路や河川、ダムなどの復旧工事をすべて完了しました。しかし町長は復興はまだ道半ばだと話します。

厚真町・宮坂尚市朗町長)

「今を生きる者、これからを生きる人たちに対して、明るく笑顔が溢れる街、そういった街づくりを目指していきたいと思っております」。

厚真町では7日午前10時から追悼式がおこなわれる予定です。