台風10号はその後どこへ行った?長野県にもゆっくり接近したものの…「熱帯低気圧」の行き先を調べてみると
台風10号は日本列島に記録的な大雨をもたらし、熱帯低気圧に変わった後、シベリア方面へと消えていった。
熱帯低気圧に変わる前後で地域に大雨が残り、影響を及ぼした。
9月にはさらに台風の上陸に備える必要がありそうだ。
迷走しながら記録的な大雨をもたらした台風10号ですが、熱帯低気圧に変わった後、どこへ行ったのでしょうか。
8月22日にマリアナ諸島で発生した台風10号(サンサン)は、ゆっくりとした速度で日本列島に接近し、次第に勢力を強めながら29日には鹿児島県に上陸しました。
ピーク時には中心気圧が935ヘクトパスカル、最大風速は50キロまで発達。
その後、気象庁の予想を上回る遅さで迷走し、再び東海道沖の太平洋に出た後、1日正午に熱帯低気圧に変わりました。
気象庁による台風情報は、ここで終了しています。
長野県内は大きな影響は免れましたが、その後も湿った空気が入り込み、大雨が続いた地域もあります。
熱帯低気圧に変わったその台風…、どこにいったのでしょうか?
気象庁のホームページで3日午後6時の天気図を見ると、シベリアに3つの低気圧があり、東に進んでいます(以降、天気図を参照)。
このうちの1つが台風10号なのか…。
さかのぼって天気図を調べてみると、1日正午に台風から変わった熱帯低気圧は、ゆっくりと北北西の方向へと移動。
そして、2日午前3時の天気図からは、“忽然と”姿を消していました。
あれだけ世間を騒がせながら、熱帯低気圧に変わったあと、わずか半日程度で「消えてしまって」いたのです。
気象予報士に聞いてみると、「そういうことは普通にある」のだそうです。
消える直前の熱帯低気圧が1006ヘクトパスカルだったのに対し、近くの高気圧も1010ヘクトパスカルと、さほど変わらず…。
ただ、その後も海からの湿った空気が流れ込んだため、長野県内は影響が少なかったものの周辺の地域でところによって局地的な大雨となりました。
台風10号は、離れた場所に大雨をもたらしたのも特徴的でした。
9月は台風の上陸が最も多くなる月で、この後も備えが必要になりそうです。