むし歯治療後に死亡した2歳の女の子 両親と元院長らが和解 刑事事件では元院長が上告中

AI要約

当時2歳の女の子がむし歯治療後に急変し死亡。両親が元院長らとの裁判で和解。

山口叶愛ちゃんは歯科医院で麻酔薬を使用して治療を受けた後に体調急変。両親は損害賠償を求め訴訟を起こす。

元院長は過失致死罪で有罪判決を受け、上告中。裁判では救命措置の怠りが問題視されている。

むし歯治療後に死亡した2歳の女の子 両親と元院長らが和解 刑事事件では元院長が上告中

むし歯の治療後に体調が急変し死亡した当時2歳の女の子の両親が、歯科医院の元院長らに損害賠償を求めていた裁判。9月3日、両親と歯科医師の間で和解が成立しました。

■麻酔薬でむし歯治療→体調急変し死亡

死亡したのは、福岡県春日市の山口叶愛ちゃん(当時2歳6か月)。

山口叶愛(のあ)ちゃんは2017年7月、福岡県春日市の歯科医院で、局所麻酔薬リドカインを使用して歯を削る治療を受けた後、体調が急変し、2日後に搬送先の病院で死亡しました。

治療後、唇が紫色になるなど、娘の異変に気付いた両親が何度も「様子がおかしい」と訴えたものの、歯科医院の院長は「子供にはよくあること」と救命措置を行わず、救急車を呼ぶこともありませんでした。

■両親が元院長に損害賠償を求め提訴

両親は2019年7月、歯科医院の元院長などに対し、あわせて1億5000万円の損害賠償を求め、福岡地裁に提訴していました。

3日に福岡地裁で和解が成立

両親の代理人弁護士によると、9月3日、元院長らと和解が成立したということです。

和解には、口外禁止条項が盛り込まれており、内容は明らかにしていません。

■刑事事件では元院長が上告

山口叶愛ちゃんの死亡をめぐっては、元院長の高田貴被告(58)が業務上過失致死罪で起訴され、裁判では、1審・2審とも「適切な救命措置を怠り、局所麻酔・リドカイン中毒による低酸素脳症で死亡させた」と認定。

高田被告に禁錮1年6か月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。

高田被告は上告しています。