成人の2人に1人のまつ毛に寄生 目のトラブルは “まつ毛ダニ” が原因かも アイメイクをしている人は要注意
顔の毛穴に寄生する「まつ毛ダニ」について取材。高齢者やアイメイク愛用者によく見られ、目のトラブルの原因になる可能性がある。
「まつ毛ダニ」は皮脂をエサにしており、基本的に無害だが、不衛生な環境では増殖し、目の炎症を引き起こすことがある。
まぶたの炎症やドライアイの原因になる可能性がある「まつ毛ダニ」。症状が花粉症と間違われることも。
「まつ毛ダニ」とも呼ばれる、顔の毛穴に寄生するダニ「デモデックス」。高齢者やアイメイクをしている人はこのダニがまつ毛に増殖しやすく、様々な目のトラブルの原因になることもあります。花粉症とも間違えやすい「まつ毛ダニ」による症状などを取材しました。
細長く、先端に突起がある特徴的な形の生物。
こちらは、「まつ毛ダニ」や「毛のう虫」とも呼ばれる「デモデックス」というダニで、健康な人の顔にも多く存在し、成人の2人に1人のまつ毛に寄生していたという研究データも発表されています。
(※以下「まつ毛ダニ」と記載します)
大きさはおよそ0.4ミリ、肉眼では確認することができません。
「まつ毛ダニ」は、毛穴や皮脂腺に住み着き皮脂をエサとしていて、基本的には無害です。
しかし、エサである皮脂が過剰に分泌されるような不衛生な環境だと、異常に増殖し、アレルギー反応やドライアイといった様々な目の炎症を引き起こすのです。
■脂を出す「マイボーム腺」が詰まる
こちらは高齢男性の目、まぶたにデキモノができています。
たち眼科・舘奈保子医師:「こちらは高齢男性の目ですが、霰粒腫(さんりゅうしゅ)いわゆる『ものもらい』ができていて、全体に眼瞼炎(がんけんえん)というまぶたの炎症を起こしています」
この炎症の原因と考えられるのが、「まつ毛ダニ」によるマイボーム腺の詰まりだといいます。
たち眼科・舘奈保子医師:「まぶたにはマイボーム腺という脂を出す管があって、涙を安定して目の表面に置いておくためにこの脂が必要になります。『まつ毛ダニ』が増殖すると、マイボーム腺が詰まりやすくなり、目を覆う涙が不安定となりドライアイとなります」
ドライアイにより、涙が不安定だと目の表面が傷つき、細菌に感染しやすくなることで様々な炎症が起きてくる可能性があるということです。
■花粉症だと勘違いし治療が長引くことも
患者の中には、「まつ毛ダニ」による症状が花粉症だと勘違いして受診する人も多いといいます。