数々の化石を発掘したパナソニックのサラリーマン、「人生で最高の“発見”」は妻だった

AI要約

宇都宮隆さんは獅子島で化石発掘調査を続けており、20年前にサツマウツノミヤリュウの化石を発見し、さまざまな化石を見つけてきた

彼はサラリーマン化石ハンターであり、週末に調査研究に情熱を注いでおり、クビナガリュウの未摘出の骨を含む化石を明らかにしたいという思いを抱いている

彼は鹿児島出身の妻と守口市で暮らし、恐竜王国である鹿児島の魅力を綴った連載をしている

数々の化石を発掘したパナソニックのサラリーマン、「人生で最高の“発見”」は妻だった

■「かお」獅子島で化石発掘調査を続ける宇都宮隆さん=大阪府守口市

 「ここは宝の島。若い研究者は海外ばかりに目を向けず、足元日本での調査にも注力してほしい」。20年前に鹿児島県長島町(当時東町)獅子島でクビナガリュウ「サツマウツノミヤリュウ」の化石を発見して以来、たびたび島を訪れ、発掘調査にいそしむ。これまでに翼竜や東アジア最古級のウミガメ、草食竜イグアノドン類の化石などを見つけた。今夏は調査と並行し、町の発掘体験ツアーを支援した。

 愛媛県生まれ。大阪でパナソニックに勤務する傍ら、週末に調査研究に携わる「サラリーマン化石ハンター」だ。中学生のとき、住んでいた高松市であった発掘体験ツアーで化石に目覚めた。「市井の研究家でも、努力すれば大発見できる可能性がある。発掘の過程は宝探し。その後に太古の謎を解く楽しみまである」と目を輝かせる。

 自身の名を冠したクビナガリュウの未摘出の骨が埋まった岩塊が、鹿児島県立博物館の倉庫にたくさん眠る。「いつか機会を見つけてクリーニング(化石周辺の余分な岩を削り取る作業)をし、全体像を明らかにしたい」と力を込めた。

 大阪府守口市で「人生で最高の“発見”」という鹿屋市出身の妻・美穂さん(56)と2人暮らし。クビナガリュウ発見の数年前、鹿児島営業所時代に同僚として出会った。「鹿児島勤務では温泉にもはまった。今でも発掘作業後は必ず漬かり、心身ともにリラックスしている」と話す54歳。本紙オセモコ面で「じつは恐竜王国!鹿児島県」を連載中。