大分県内でコメ品薄、量販店では品切れや購入制限も 昨年の猛暑影響、新米流通で解消期待

AI要約

大分県内でコメが品薄になっている。昨年の猛暑による品質低下と外食需要の増加が影響しており、価格も上昇している状況だ。今年の秋には収穫される新米が出回り、落ち着くと見込まれているが、酷暑の影響が心配されている。

量販店やスーパーではコメの品薄感が顕著で、入荷量が減少しており、購入制限や売値の上昇が行われている。消費者も高騰する価格に戸惑いを見せている。

JAグループが農家に前払い金を提供するなど、米の需要が高まっている状況だが、価格の上昇傾向が続く可能性が指摘されている。

大分県内でコメ品薄、量販店では品切れや購入制限も 昨年の猛暑影響、新米流通で解消期待

 大分県内でコメが品薄になっている。量販店では品切れや購入制限が見られ、価格も上がっている。昨年産米は猛暑で全国的に品質が低下し、結果的に流通量が減ったことが影響している。加えて訪日客の回復などで外食需要が伸びたこともある。今年産が出回る秋には落ち着くとみられるものの、酷暑が続いており作況次第になりそうだ。

 「昨年までこんなことはなかったのに…」。大分市のスーパー「コープ南春日」の白潟(しらがた)一彦副店長(48)は顔を曇らせた。7月から入荷量が減り、県産と県外産が全て欠品する日もある。「全国的に品薄と伝えられており、不安から買い急ぐ人もいるようだ」とみる。

 仕入れ値が上がり、売値も7月から1~2割上げざるを得なくなった。

 買い物に訪れた大分市高崎の40代の主婦は「急に高くなった気がする。育ち盛りの子どもが4人いるので仕方がない」と値札を見ながらため息をついた。市内の別の量販店では「(購入は)1家族1袋まで」との張り紙があった。

 昨年産米は猛暑の影響を受けた。県内の収穫量は平年並みだったものの、1等米比率は56・2%で全国平均を4・7ポイント下回った。全国的にも品質が低下し、流通の基準を満たすコメの量が減って品薄を招いている。

 昨年に新型コロナウイルスが5類に移行して以降、外食で消費が戻ったことも拍車をかけているようだ。

 大分市大手町の「まぐろ料理ほとじま」では、コロナ禍前よりも客足が増えているという。広瀬満寛代表(48)は「使うコメの量も多くなっている。今のところ問題はないけれど、今後も品薄が続けば影響が出るかもしれない」と話す。

 今年産は県内でも早期米の収穫が始まり、需要が高まっている。JAグループが農家に代金を前払いする概算金は、鹿児島県では昨年より4割アップが決まった。大分県内は今月中にも前払いが始まり、増額になる見通し。

 JA全農おおいたによると、9月いっぱいは品薄が続く可能性がある。

 米麦課の衛藤孝史調査役(43)は「新米が出回れば落ち着くので、過度な心配は必要ない」と呼びかける一方で、「物価高などで生産コストも増えている。今年の出来にもよるが、価格の上昇傾向は続くかもしれない」と述べた。