“例年のわずか2%” の雨に猛暑で『ミカンが悲鳴』 農家「出荷は最悪半分くらいに」 熊本
熊本のミカン特産品に影響を及ぼす猛暑と雨不足の問題
今年の梅雨明け後の雨量が平年の2%にとどまり、猛暑日が2倍以上に増加
ミカンの実に悲鳴が上がり、水やりや対策が追い付かず
連日の猛暑や雨の少なさで、熊本の特産品・ミカンに深刻な影響が出ています。現場を取材してきました。
■梅雨明け以降の雨『平年のわずか2%』
有明海を一望できる熊本県玉名市天水町。自然豊かなこの町でミカンを育てているのが、樋口さん夫婦です。
「肥のあかり」という極早生ミカン、収穫前の小さなものをいただきました。
後生川凜アナウンサー「おいしい。酸味がけっこうあって、さっぱりした味わい」
手塩にかけて育てているミカンは、例年 約80トンを出荷しています。しかし今年は…。
樋口誠彦さん「最悪半分くらいになったりするのかなと」
樋口かおりさん「元気のない木を見てがっかりしちゃいますね」
今年は2年に一度実が少なくなるミカンの「裏年」にあたることで、もともと花が少なく、さらに梅雨明けが発表された7月22日から8月20日までの30日間の玉名市の降水量は3.5ミリで、平年(167ミリ)の2%にとどまる異常な雨の少なさです。
またこの夏の玉名市では、35℃以上の猛暑日を29日観測。猛暑日の日数は平年の2倍以上に上っています。
異例の猛暑で葉っぱが枯れることもあり、ミカンの実が悲鳴を上げています。
誠彦さん「日光が直接当たることで、『日焼け』と言っているんですけど」
ーーこういったものは商品にならない?
誠彦さん「これはもうならないですね、ここまでくると」
ほかにも。
ーーぱっくり割れてますね。
かおりさん「乾燥が続いて急に雨が降った時に、皮が耐えきれなくなって割れちゃう」
そのため…。
誠彦さん「これが灌水(かんすい)といって、水やりですね。今年ほどこんなに毎日することはまずないですね」
■水やりが1日8時間に及ぶ日も
去年は適度に雨が降ったため、水やりは10月の数日だけでしたが、今年の8月は連日水やりをしていて、1日8時間に及ぶ日もあります。
かおりさん「朝と晩で間に合わないので、昼間も。(Q暑いんじゃないですか?)倒れそう」
水やりに追われ、イノシシ対策のための柵の設置や農薬散布などに十分に手が回らない状態です。
誠彦さん「やることはいっぱいあって、進んでいないので」
かおりさん「とにかく雨が降ってくれたらね」
収穫の最盛期まで、あと4ヶ月。雨を願う日々が続きます。