初代チャンプは相可高 ガストロノミー甲子園 全国高校生料理コン 三重・多気

AI要約

全国高校生ガストロノミー甲子園での料理コンテストが開催され、初代チャンピオンが決定した。

栄えある優勝校は県立相可高校食物調理科の生徒2人で、伊勢まだいを使用した創作料理で審査員を魅了した。

優勝校にはスペイン・バスク州の料理研修旅行が贈られ、生徒たちは将来への夢を語った。

初代チャンプは相可高 ガストロノミー甲子園 全国高校生料理コン 三重・多気

 全国の料理を学ぶ高校生が集い、その腕前を競う「全国高校生ガストロノミー甲子園」(三重県多気郡多気町など同甲子園実行委員会主催)の料理コンテストが20日午前9時40分すぎから同町ヴィソンの商業リゾート施設・VISONで行われ、初代チャンピオンに、県立相可高校食物調理科3年・加藤陽君と熊本泰士君ペアが輝いた。

 同甲子園は「食のまち多気」を目指す同町などが、食文化の振興と若い料理人の育成を目的に初開催。全国から選抜した8校の代表各2人が、テーマ食材の県ブランド魚「伊勢まだい」を使った「メイン、汁物、ご飯」のセット3人前を、100分以内で調理した。

 審査は、料亭「賛否両論」(東京都)の店主・笠原将弘審査員長をはじめ、日本ガストロノミー協会の柏原光太郎会長、モンサンクレールの辻口博啓オーナーパティシエの3人が、見た目や味、調理技術や衛生管理、プレゼンテーション力などを総合的に評価した。

 相可高の2人は、タイを存分に活用したメニューを考案。メインには「伊勢真鯛(まだい)と夏野菜のゴマ風煎(い)り出汁(だし)」を、ご飯には昆布、カツオのだしと、伊勢茶を使っただし掛けご飯、汁物には、タイの頭や骨から取っただしを生かしたアオサの潮汁を添えた。

 準優勝は鹿児島県の私立神村学園高等部、3位は北海道の三笠市立北海道三笠高校だった。

 笠原審査員長は上位3校は僅差だったと振り返り、「重点に置いたのは、伊勢まだいの魅力をどれだけ生かしているかや調理技術、舌(味)、遊び心。相可高校は3品ともマダイのテーマを生かし、構成はシンプルだが、一つ一つの技術がしっかりしていた」と高評価だった点を挙げ、「うろこや骨が一切なく、下処理がきちんとされていた。ベテランが作ったかのような渋めで上品な味だった」と講評した。

 優勝した相可高の2人には、副賞として多気町の友好都市、スペイン・バスク州のサン・セバスチャン市での料理研修旅行が贈られた。

 和食が得意という加藤君は「最初は緊張したけれど、5分したらいつも通り楽しく調理できた。3年間学んできたことを発揮できてすごくうれしい。料理研修では美食のまちといわれるレベルの高い国でいろいろなことを学び、日本料理に引用できたら」、熊本君は「優勝できてすごくうれしい。審査員をお客さんだと思って、どうやったらおいしく食べてもらえるか工夫して料理できた。スペインなど海外の料理はまだ知らないので、和食に取り入れられるよう学んできたい」とそれぞれ喜びを語った。