93年ぶり8強入り、大社の躍進生んだ石飛文太監督とは? 以前は管理野球、今は選手と一緒に泥まみれ 全国高校野球選手権大会

AI要約

大社が93年ぶりの8強入りを果たした第106回全国高校野球選手権大会において、選手たちとの信頼関係を築く石飛文太監督の指導が注目された。

石飛監督は選手たちと一緒に汗を流し、対話を深める環境づくりを重視し、選手たちからの信頼を勝ち取っていった。

チームは石飛監督の目標達成への姿勢と選手とのコミュニケーションを通じて、サヨナラ勝ちなどの驚きの勝利を収め、8強以上を成し遂げた。

93年ぶり8強入り、大社の躍進生んだ石飛文太監督とは? 以前は管理野球、今は選手と一緒に泥まみれ 全国高校野球選手権大会

 第106回全国高校野球選手権大会で、報徳学園(兵庫)など有力校を破って93年ぶりとなる8強入りを果たした大社(出雲市)。躍進の背景には、選手たちと共に汗を流して練習し、対話を深めた石飛文太監督(42)の指導があった。

 2020年8月に監督就任。当時は試合でのサインや練習メニューを細かく指示する「管理野球」だった。だが、21年春は県大会の地区予選で初戦敗退。22年の夏も県大会初戦で敗れ、「監督として勝利のために何ができるのか」と苦悩した。

 そんな中、立ち返ったのは選手との信頼関係を育む環境づくり。打撃練習では自ら外野に立って「いい打球だ!」と球を受けた。昭和の日に始めたことにちなむ、雨の日に行われる「昭和デー」と呼ばれる守備練習では、選手と共にノックを受けて泥にまみれた。

 選手との信頼関係がはっきり表れたのは、3回戦の早実(西東京)戦。延長にもつれ込んだ十一回、石飛監督は「ここで決められるやつは手を挙げろ」とベンチに問いかけた。挙手した2年の安松大希選手を代打に起用。島根大会を含めて一度も出場がなかったが、三塁線への完璧なバントを決め、チームのサヨナラ勝ちを呼び込んだ。

 自ら掲げた8強以上という目標を成し遂げた大社ナイン。石飛監督は「目標達成には何が足りなくて何が必要か、選手たちに常に問い続けてきたことが結果につながった」と振り返った。