私には戦没者遺族の皆さんが、母でありきょうだいだった…尾辻秀久参院議長、最後の追悼の辞 全国戦没者追悼式 3歳で父が戦死、思いの丈を率直に述べる

AI要約

鹿児島県南さつま市出身の尾辻秀久参院議長(83)は、全国戦没者追悼式で追悼の辞を述べ、戦争体験から平和の大切さを訴えた。

尾辻氏は父親が戦争で亡くなった遺族であり、戦没者遺族に対する感謝の気持ちを述べた。

尾辻氏は政界引退を決めており、参院議長として最後の追悼式に立ち会い、長年の思いを率直に表現した。

私には戦没者遺族の皆さんが、母でありきょうだいだった…尾辻秀久参院議長、最後の追悼の辞 全国戦没者追悼式 3歳で父が戦死、思いの丈を率直に述べる

 鹿児島県南さつま市出身の尾辻秀久参院議長(83)は15日の全国戦没者追悼式で「追悼の辞」を述べた。3歳で父親を戦争で亡くした遺族の一人として「これからも命の限りを尽くして絶対に戦争だけはいけないと、平和の大切さを訴える」と声を張った。

 海軍の駆逐艦「夕霧」の艦長だった父親は32歳のとき、ソロモン諸島沖で戦死した。「戦争で父を亡くし、20歳のときには両親のいなかった私には戦没者遺族の皆さんが、母でありきょうだいだった」と振り返った。「戦没者の妻であるお母さんたちに『父の分まで長生きしてください』と言い続けてきた私が83歳になった」と語り、戦後79年の歳月の重みをにじませた。

 尾辻氏は来夏の参院選に立候補せず今期限りでの政界引退を決めている。「議長としてこの場で追悼の言葉を読み上げるのは今年が最後」とし、「何があっても、皆様のことを忘れることはない」と締めた。追悼式後の取材に「作った言葉でなく、いつも心にある思いを率直に、気持ちを込めて述べた」と話した。