岸田首相、突然の退陣表明 福島県民「潮時だった」 驚きと冷静な声

AI要約

岸田文雄首相が不出馬を表明し、9月末に退陣する見通し。政治とカネの問題や物価高が支持率低迷の要因。福島県民は驚きつつも冷静に受け止める。

福島県民は次の首相に市民生活を良くする政治を期待。給与面での少子化対策や経済政策への不満がある声も。

岸田首相の外交政策には一定の評価があり、安保政策への対応には賛否両論。厳しい世界情勢の中での行動を評価する声も。

岸田首相、突然の退陣表明 福島県民「潮時だった」 驚きと冷静な声

 「身を引くことでけじめをつけたい」。岸田文雄首相が14日、自民党総裁選への不出馬を表明し、9月末にも退陣する見通しとなった。相次ぐ「政治とカネ」の問題や物価高の長期化で政権の支持率が低迷していただけに、福島県民からは「急な表明でもう少し説明してほしかった」「潮時だったのでは」と驚きと冷静に受け止める声が入り交じった。

 「世間の風当たりが強い中、個人的には岸田首相はよく対応していたように感じる」。福島大人間発達文化学類2年の田上育樹(やすき)さん(19)=福島市=は、首相が退陣理由に挙げた「政治とカネ」の問題を巡る取り組みについて印象を口にした。ただ「再発防止へ具体的に何をしているのかがよく分からなかった」と振り返り「次の首相には少しずつでも市民の生活を良くしてくれる政治を期待している」と求めた。

 郡山市の会社員柳沼悠華さん(24)は「突然のことで驚いたが(次の首相は)お金の問題をきれいにして、被災地支援などに力を入れてほしい」と期待した。

 岸田首相は看板政策の一つに「次元の異なる少子化対策」を掲げた。会津若松市の団体職員岩田久美さん(47)は周囲の若い人から「(給与面で)お金がないから結婚できない」「結婚に意義を見いだせない」との声を聞くといい「こういったことが解消されれば良かったが、もう少し対策を取ってほしかった」と指摘した。

 長引く物価高に伴う経済政策を巡っては、須賀川市の主婦阿部栄子さん(68)は今も日用品の値上がりを実感しており「政策の効果が日常生活であまり感じられなかった」と語った。

 国際情勢が混迷する中で岸田首相は外相経験を生かし、首脳外交や安全保障の強化に力を入れた。白河市の飲食店経営瀬谷安男さん(70)は、首相が議長を務めた広島での先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に触れ「各国首脳と共に原爆死没者慰霊碑に献花したことを評価する」と成果を挙げた。安保政策については「賛否両論はあるが、厳しい世界情勢の中で防衛費増額という難しい判断を下したと思う」と評価した。