オザワ松本フェス 沖澤さん指揮 観衆魅了

AI要約

青森市出身の沖澤のどかさんが、国際音楽祭「OMF」の首席客演指揮者としてデビューし、観客を魅了した。

沖澤さんの指揮でオーケストラコンサートが開催され、メンデルスゾーンやシュトラウスの名曲が披露された。

小澤征爾さんへの追悼を込めた演奏や、新たなドン・ファンとしてのスタートを切ったOMFの未来への期待が高まっている。

オザワ松本フェス 沖澤さん指揮 観衆魅了

 長野県松本市で9日から開かれている国際的音楽祭「セイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMF)」で、フェス史上初の首席客演指揮者に就任した青森市出身の沖澤のどかさん(37)によるオーケストラコンサートが10日、松本市のキッセイ文化ホールで開かれた。今年2月に総監督の小澤征爾さんが88歳で亡くなって以来初のOMFで、沖澤さんは国内外の一流演奏家で結成する「サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)」と一体感のある演奏を披露し約1650人の観客を魅了。“オザワ・スピリット”を受け継ぐSKOメンバーと新たな歴史をスタートさせた。

 コンサートはメンデルスゾーンの「夏の夜の夢」で幕開け。しなやかな沖澤さんの指揮で観客を夢見心地に誘った。

 圧倒的な存在感を見せつけたのは、2曲目で披露したR・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」。OMFの新たな門出にふさわしく躍動感とエネルギーみなぎる力強い旋律が会場に響き渡った。

 最後も同じくシュトラウスの「四つの最後の歌」で締めくくった。独唱はソプラノ歌手エルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァー。深みのある歌声とSKOの音色が化学反応を引き起こし、演奏後は拍手が鳴りやまなかった。沖澤さんは亡き小澤さんへの追悼の思いを込めて演奏し、ラストの静寂な旋律が松本の夏の夜に静かに溶けていった。

 松本市の70代主婦は小澤さんの指揮がもう見られないのは残念-としつつ「小柄な沖澤さんの力強い指揮に圧倒された。今後のフェスを担う存在として応援したくなった」と話した。

 沖澤さんが指揮するオーケストラコンサートは11日も開催。25日には、SKOメンバーらが講師を務める小澤征爾音楽塾オーケストラによるオペラ公演プッチーニの「ジャンニ・スキッキ」(全1幕)を振る。

 OMFは9月4日まで。米ボストン交響楽団音楽監督のアンドリス・ネルソンスさんがSKOを指揮するほか、小澤さんをしのぶ特別イベントも実施する。