「土石流の教訓から生まれた条例の意味を大事にして」被害者の会が静岡県知事に意見書提出 全国一厳しい盛土条例の廃止・改正の動きにけん制

AI要約

熱海土石流災害の遺族らが静岡県の盛土条例を巡り、鈴木知事に意見書を提出。

被害者の会が盛土条例の廃止・改正を求めた背景と教訓からの訴え。

業界団体からの要望や議論の中で、再発防止と経済活動のバランスを模索。

「土石流の教訓から生まれた条例の意味を大事にして」被害者の会が静岡県知事に意見書提出 全国一厳しい盛土条例の廃止・改正の動きにけん制

全国で最も厳しいとされる静岡県独自の盛土条例をめぐり、熱海土石流災害の遺族らが鈴木康友知事に意見書を提出しました。再発防止の願いと経済活動への影響のはざまで、盛土条例は岐路に立たされています。

鈴木知事に8月7日、意見書を提出したのは熱海土石流災害の「被害者の会」です。静岡県の盛り土条例の廃止・改正の動きに対する要望です。28人が犠牲になった熱海土石流災害。2024年7月で発生から3年が経過しました。

<被害者の会 瀬下雄史会長>

「母はごみにまみれて殺されたんだと。それが事実なんだと思っています」

熱海土石流災害は違法な盛り土が被害を拡大させたとされています。「被害者の会」会長の瀬下雄史さんは7月、「土石流の教訓から生まれた条例の意味を大事にしてほしい」と訴えていました。

<被害者の会 瀬下雄史会長>

「盛り土が崩れたとうよりかは、ゴミが崩れたというところが熱海土石流の本質なので、決してそのようなことが第2、第3の熱海土石流のようなことが起きないようにその辺りを強く意見をして述べさせてもらった」

<静岡県 鈴木康友知事>

「盛り土規制法ができて、かなりしっかりとして盛り土の規制ができますので、条例と同等以上の規制をしっかり規制を通じてやっていく。この規制法と新たな盛り土条例で、盛り土の安全性の確保と、汚染土砂の搬入防止に努めていきますと回答をした」

業界団体からは、規制の緩和を求める声があがっていて、静岡県議会の特別委員会では改正なども視野に検討を続けています。

鈴木知事との面会の後、瀬下会長は静岡県議会議長も訪れ、条例見直しをめぐる動きについて、県民の命を守ることを最優先にして欲しいと訴えました。