福島にハウス食品の新工場、26年6月の稼働目指す サンヨー缶詰の事業は承継

AI要約

ハウス食品グループが福島市に新工場を建設し、業務用レトルトカレーなどの生産を拡大する計画を進めている。

新工場の設備投資額は68億円で、2026年6月に稼働予定。多品種変量の新製法を導入し、国内外に向けて供給を拡大する方針。

新会社「ハウス食品グループ東北工場」ではサンヨー缶詰の従業員を100人全員雇用し、生産体制の強化を図る。

福島にハウス食品の新工場、26年6月の稼働目指す サンヨー缶詰の事業は承継

 ハウス食品グループ本社(東京都)は、業務用レトルトカレーなどを生産する拠点として福島市佐倉下の佐倉西工業団地内に新工場「ハウス食品グループ東北工場」を新設する。出資するサンヨー缶詰(福島市)が瀬上工場で手がける業務用レトルト食品事業を承継し、新工場を運営する新会社も設立した。グループの工場としては東北初進出で、2026年6月の稼働を目指す。

 新工場の設備投資額は68億円。敷地面積約3万950平方メートル、製造棟の建築面積は約6000平方メートルで、既に着工している。新工場では、レトルト食品やペースト調味料など加工食品を生産する。

 新会社「ハウス食品グループ東北工場」の社長は、ハウス食品グループ本社取締役スパイスバリューチェーン調達・生産戦略本部長の岡本雄一氏が兼務する。新工場では、サンヨー缶詰瀬上工場の従業員約100人全員を雇用する。

 ハウス食品グループは、スパイス・カレー類製品を中心とする業務用事業を成長の柱の一つに位置付けている。新工場では多様な顧客ニーズに応えるため、多品種変量の新製法を導入した業務用レトルト食品を生産。製品開発から営業、生産まで一貫して迅速に対応できる体制を構築することで、事業拡大や収益力強化を目指す。主に国内での供給を想定しているが、一部で海外輸出も視野に入れているという。

 サンヨー缶詰は1988年、ハウス食品グループからフルーツゼリーなどの生産委託を受けて取引を開始。95年ごろに資本提携し、レトルトカレーの生産を始めた。